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2012年03月09日
「野村」(福山市・鞆の浦)

◆お好み焼き
生地 : やわらかい生地
キャベツ: 細い千切り
具 : 豚バラ肉
焼き方 : 独自の重ね焼き(混ぜ焼き+変わりモダン)
ソース : 甘いお好み焼きソース
満足度 : ★★★ (素朴でいて、満足できる味とコスパ)
見た目は広島風お好み焼きのようだが、厚みがなくキャベツが自己主張し
過ぎていないので、食べやすい。それに、麺が意外にもちもちしていて上質
だった。
アア、ウマイ! 余り期待をしていなかった分、余計に感動する。
路地の奥に”庶民の名店”あり。 美味くなけりゃ、長きに亘って地元民に
愛されない。そういうことだ。
おじさん2人組が勘定を頼むと、おばあちゃんは古くて大きな算盤を取りだ
した。「やきそば、ふたつ。おでんの何が何本。ビールが4本。そして、・
・・」 自己申告をする金額を算盤に置いていく。
こんな風に半世紀近く、おばあちゃんと客のやりとりが行われてきたのだろ
う。「路地裏にある昭和」に乾杯!
鞆の浦を代表する景観を見るために、「福禅寺、対潮楼(たいちょうろう)
」へ向かう。ここは江戸時代、朝鮮通信使の迎賓館として使われた。
座敷からの海の眺めは素晴らしく、「日東第一形勝(日の昇る東の国、つま
り日本で一番の景色である)」と称賛された。
座敷から弁天島、仙酔島を眺めていると一隻の渡船が海峡を横切っていった。
船名を見ると、「平成いろは丸」とある。またしても、龍馬の「いろは丸」。
再び、古い家並みの中心へ戻った私は土産用に「保命酒」を一本買い求め、
小魚料理の店「おてび」で一服することにした。
ほとんどの客は定食のご飯を食べていたが、熱燗をお願いし、カウンターに
並んだ料理を見る。素朴な煮魚が多いようだ。私は小さなカレイ?を揚げて
から甘酢で煮たような料理を所望した。
土地の清酒「美の鶴」をちびちびと飲りながら、小魚を食む。なかなかに風
情がある。
私は「崖の上のポニョ」のことを考えていた。
宮崎駿監督は2005年、この地に長期滞在をして次回作の構想を練った。
映画の中の海辺の町が鞆港をモデルにしていても、何ら不思議ではないが、
監督も町側もそれを認めようとしない。
アニメは夢がつまった虚構の世界だ。モデルの場所を特定しても、面白くな
い。
私が興味を抱いたのは、鞆の浦と一体になっている「仙酔」「保命」という
言葉と、ポニョに出てくる老人たちとの関係だった。
監督は仙酔島や保命酒からインスピレーションを得て、老人と子供たちが交
流する未来の社会を想像したのではないだろうか。
「保命(ほうめい)の 仙人も酔う 鞆の海」 (ジミヘン)
◇お好み焼「野村」 広島県福山市鞆町鞆?
豚玉そば入り 450円
缶ビール 200円
2012年03月07日
路地裏で見つけた昭和 「野村」(福山市・鞆の浦)

駄菓子屋の奥で一枚の鉄板を囲み、
おばあちゃんが焼く”洋食”を愉しんだ。
【地方の名店】「野村」
退屈なので旅をしようと思うが、適当なところを思いつかない。
秋田や熊本は遠くて大変だし、北陸や岐阜や四国はいつも行っている。
暖かくて、一度も行ったことのない場所。
ふと、「鞆(とも)の浦」を思い出した。鯛網と美しい島並の景勝地、最近
ではポニョの舞台として、そして道路建設か景観保存かで新聞紙面を賑わせ
ている町。

”鞆の浦”は広島県福山市の沿岸部にある港町。潮待ちの港、風待ちの港と
して古来より知られる瀬戸内有数の歴史ある町だ。
ネットで町の情報を探していて、小さなお好み焼き店があることを知った。
その店は、おばあちゃんが一人でやっている。お好み焼きとおでんを目当て
に近所のお年寄りが集まると云う。
◆店の概要
立地 : 古い港町の路地裏
タイプ : 広島風に近い洋食焼き
焼くのは: 店焼き
塗るのは: 店塗り
路地裏度: ★★★ (限りなく常連仕様である)
どんよりと曇ってはいるが、雨が落ちてくる気配はない。
新神戸から新幹線「さくら」に乗り込み、1時間足らずで福山駅に着いた。
駅の南口へ出ると「五浦釣人」と題された老人の銅像が立っていた。
この老人はこんなところで何を想う?
鞆鉄バスに乗り、芦田川に沿って下っていくと、30分ほどで鞆港に到着。
深く入りこんだ入江にたくさんの漁船が係留されている様は、岡山の日生港
や兵庫室津港を連想させる。
とりあえず、古い街並みを歩いてみることにした。戦災に遭っていない鞆の
町は、江戸時代の屋敷や蔵が往時のまま残っている。港のシンボルである常
夜燈へ向かう通りはしっとりとした風情がある。薬味酒「保命酒(ほうめい
しゅ)」の醸造元である太田家の建物群が立派だ。
常夜燈の周りではバスでやってきた観光客が町ガイドのおじさんの説明に耳
を傾けている。
龍馬ゆかりの「いろは丸記念館」はスルーした。
所詮、龍馬ら海援隊が事故の「示談」をうまくやった、というだけのことだ。
さて、町を歩くと方々の建物で「ひな飾り」を展示していた。どうやら「町
並ひな祭」と称し、町を揚げて観光客を楽しませようという趣向のようだ。
丘の上に立つ「歴史民俗資料館」でも立派な”ひな祭り・七段飾り”が展示
されていた。ひな祭りもまた江戸時代以降、民衆の間でひたすら大切に受け
継がれてきた。
小腹が空いてきた私はお好み焼きの「野村」さんを探すことにした。
鞆鉄バスセンターの裏手を、いつものように嗅覚を頼りにうろうろすると、
すぐに見つかった。幅3メートルほどの狭い路地に面したその店はノレンが
なければ、通り過ぎてしまっただろう。
薄暗い店内に入ると、奥に鉄板テーブルが一卓あり、おじさん2人がビール
を飲みながら焼きそばとおでんをつまんでいた。
私は壁のメニューから「豚玉そば入り」を選び出しておばあちゃんにお願い
し、セルフで缶ビールを取り出した。
さて、どんなお好み焼きを焼いてくれるのだろう? 興味津々だ。
1.驚いたことにベースは混ぜ焼きだった。
細く千切りにしたキャベツと生地を混ぜて鉄板に丸く広げる。
生地の中に塊が見え隠れするが、”ちくわ”だろうか?
その上に豚バラ肉をたっぷりと並べた。
2.次にビニール袋を破って中華麺を取り出して、生地の上に広げて載せる。
うーむ、大胆だ。焼いていない豚肉の上に麺である。
3.間もなく裏返して、へら(広島ではこう呼ぶ)でしっかりと押さえつける。
つまり、麺サイドをしかりと焼く「変わりモダン焼き」の形態である。
しばらく焼いてから横に卵を割り落とし、その上にお好み焼きを被せた。
表に返し、ソースを塗る。
粉かつお、青のり、紅生姜を振ってから私の前にスライドさせた。
実にうまそうだ。早速いただいてみよう。
(続く)
2012年03月02日
「すえちゃん」(神戸・住吉)

◆お好み焼き
生地 : 加水率の高いとろとろ生地
キャベツ: 1センチ幅のザク千切り
具 : 牛すじ・油かす・茹でたじゃがいも
焼き方 : 神戸風べた焼き
ソース : お好み焼きソース+どろソース
満足度 : ★★★ (ホルモン焼きを食べているような充実感)
クリスピーな牛すじ肉と油かすの存在感がハンパない。
シャキシャキの甘いキャベツ、ほっこりした絶品の”いも”、それに加えて
神戸の「どろソース」だ。嗚呼、ゼイタクの極み!
牛すじとホルモンから滲み出た脂が全体を包むので、とにかく熱々で濃厚。
うっかりすると、口中ヤケドをしてしまう。だから、この店は初心者向きで
はない。上級者がビールを飲みながら楽しむ店である。
季節の「大貝」や「かき」などを織り交ぜて、客のわがままを聞いてもらう
老舗庶民店である。
至福の時間をありがとう。
やはり、この店は私にとって最高の店やあ!
店を出た私は、陽気に誘われて近くの公園へ寄った。
公園のすぐとなりにある幼稚園児が楽しそうに遊んでいる。幼稚園の名を読
むと、「遊喜幼稚園」とあった。うーん、良い名だ。子供は遊んで成長する
ものだ。
公園の中央に石碑がある。説明文を読むと、「東求女塚古墳」という4世紀
後半の古墳であるらしい。阪神間の地下には至るところ多くの先人たちが眠
っている。
住吉駅まで戻った私は地ソースメーカー「タカラソース」を訪ねて、お気に
入りのソースを仕入れて帰ることにした。
駅の北側すぐのところにある建物がタカラソースさんの工場兼事務所で、販
売もしてくれる。
「お好みソース」「焼きそばソース」「ウスターソース」「たまりソース」
の4種類の500MLペット入りソースが並んでいた。ちなみに「たまり」
と「ウスター」は私の”家おこ”調理の際の必需品になっている。
女性店主と雑談を交わしてから、「たまり」「お好み」の2種を買い求め、
店を後にした。
さて、腹ごなしに御影駅まで歩いて、夕食の食材でも買って帰ることにしよ
う。
◇お好み焼「すえちゃん」 神戸市東灘区住吉宮町1-2-18
かすすじいも焼き 920円
ビール(中瓶) 500円
◆「すえちゃん」の過去エントリー
スジいも焼き

貝すじ焼き

2012年02月29日
東神戸ワイルド派の雄 「すえちゃん」(神戸・住吉)

香ばしく焼けた「すじ・かす・いも」の競演。お好みの最高峰やあ!
名店NO.20 「すえちゃん」
長らく続けてきましたこの「お好み焼き名店探訪」シリーズも今回が最
終回です。
大トリはこの店しかありません。東神戸の地元ファンに熱愛される庶民店
「すえちゃん」だ。
◆店の概要
立地 : 公営住宅の1階店
タイプ : 神戸風べた焼き
焼くのは: 店焼き
塗るのは: 客塗り
路地裏度: ★★☆ (近所の常連さんが集まる家族的な店)
阪神電車「住吉駅」は、御影駅からひとつ大阪寄りの小さな駅。普通電車
しか停まらない。
駅を下りると、すえちゃんの絶品お好み焼きが脳裏に浮かんできて、心が弾
む。高架の北側を大阪方面へ向かって歩く。
今日は寒さも一段落し、分厚いコートが邪魔になるほど暖かい。
しばらく行くと、道が2つに分かれているので、左側の道を選ぶ。やや広い
公園があり、突き当って右手を見ると「すえちゃん」の赤い看板が見えだろ
う。駅から5分足らずで着いてしまった。はやる気持ちが足を速くする。
開店直後だというのに、すでに齢の差カップルがお好み焼きを食べていた。
男性は一味唐辛子を山盛り掛け、女性は粉かつおを山盛りトッピングしてい
た。うむ、客が好きにすればイイ。「お好み」焼きなんだから‥。
さて、久しぶりの訪問だから豪勢に行こう。「お好み焼きにすじ・かす・い
もを入れて! それからビール!」 私は男らしくキッパリと言い放つ。
いつもと変わり映えのしない注文だが、絶品の”牛すじ”と”いも”は絶対
に外せない。
今日は妹さんが目の前で焼いてくれた。じっくりと工程を拝見しよう。
1.鍋に入ったとろとろ生地をお玉で丸く広げる。20cm径の大きさだが、
かすれる程薄い。
その上にザク千切りのキャベツをひとつかみ載せる。
2.大きめにカットした青ネギを乗せてから、茹でたじゃがいも・ミンチ状の
たっぷり牛すじ、そして存在感のある油かすをドドーンと置いた。
3.更に生地を回しかけてから裏返し、テコで押さえる。
この状態でしばらく放置プレーだ。
イイ香りがしてくるまで辛抱の時間‥。ビールを飲むピッチが上がる。
4.数分経つと、すじ・かすが焼ける香ばしい芳香が漂ってくる。
この香りが「すえちゃん」の存在証明だと言えるだろう。とにかく素晴ら
しいのだ。
ひっくり返すと、表面がカリカリッに焼けた”イケメンフェース”が顔を
見せる。
5.私はお好み焼きソースを塗った上に、どろソースを少し分散塗りする。
すかさずおばちゃんが粉かつおと青のりを掛けてくれた。
早く食べたい。
テコを入れると、それを跳ね返すような弾性がある。
ここまでクリスピー感のあるお好み焼きは他にないだろう。
いただきまーす。
(続く)
2012年02月25日
「高砂」(神戸・和田岬)

◆お好み焼き
生地 : ややトロッとした生地
キャベツ: 細い千切り(焼きそばに入る)
具 : 牛すじ・海老・イカ・たこ
焼き方 : 神戸風モダン焼き
ソース : お好み焼きソース
満足度 : ★★★ (味もコスパも極上)
具だくさんのモダン焼きにテコを入れ、箸で食べ進む。たこやイカがゴロ
ゴロと現れ、大きな海老や細かくカットされた牛すじ肉も出てくる。
何という豪華な”チャンポンもだん”だろう。
しばらくすると、近所のおばちゃんが”白ごはん”を持参して入店した。
どうやらオムライスを作ってくれというリクエストのよう。それに対し、店
のお母さんは、おしゃべりをしながら手際良く作り始める。
すると、ひと仕事を終えた風のおじさんが登場し、カウンターに腰をかけて
ビールを飲み始める。
砂ずりの塩炒めを注文してから、こんなことを言う。
「最近、睡眠不足でね。疲れ過ぎるとニンニクを受け付けないことがあるよ
ね。」 お母さんとおばあちゃんは「そう、そう」と相槌を打つ。
仕事をしている人はタイヘンだ。私などは定年を迎えて以降、そんなに疲れ
た経験がない。
食べ進む内にソースが甘く感じられたので、卓上のどろソースをかける。
うむ、これでグンと味が引き締まった。
それにしても素晴らしいコスパだ。やさしい風味の中華麺と新鮮な具材、そ
れを柔らかい生地が包んで、神戸の地ソースとシャキシャキの青ネギだ。
近所の常連さんはシアワセだ。毎日、こんな絶品お好みを食べられるんだか
ら‥。
お母さん、ごちそうさまでした。
腹も膨れたので、史跡めぐりに出よう。
最初は「薬仙寺」という寺。ここには清盛が福原遷都の際、後白河法皇を幽
閉した「萱の御所跡」の碑がある。清盛は、法皇を三間四方の狭い御所に押
し込めたが、法皇はこの御所から伊豆の源頼朝に平家追討の院宣を下し、挙
兵を促したという。
兵庫運河に架かる清盛橋を越え、清盛塚まで来ると、多くの観光客が集まっ
ていた。清盛ゆかりの地を歩くツアーの途中であろうか。
大河ドラマの影響で、この地が注目され、再発見されるのはうれしい事だ。
しばらく北上すると兵庫大仏が見えた。ここ「能福寺」に清盛の墓がある。
解説サイトの説明文を引用させていただく。
「能福寺は平清盛所縁の寺としても知られ、1180年(治承4年)、
福原京遷都にともない平清盛が能福寺で剃髪入道(浄海)し、平家
一門の祈願寺に定められ大伽藍が建設され八棟寺と称されました。
能福寺境内には平相国廟(平清盛廟)・平清盛公墓処があり、平清
盛が京都で荼毘にふされたとき、この寺の住職円実法眼が清盛の遺
骨を持ち帰り寺領内に葬ったと伝えられています。」
明治23年に建立された兵庫大仏は一旦壊され、戦後再建されて今に至る。
じっくりとお顔を眺めると、温和な良い顔をされている。
今まで陽の当らない大仏であったが、これを機会にもっと存在感を示してほ
しいものだ。
さて、神戸中央卸売市場前の「歴史館」へ着いた。
小学生の社会見学であろうか、子供たちと一緒に館内を見て回った。清盛と
神戸との繋がりをパネルとアニメ映画で説明しているが、ややインパクトに
欠ける。
清盛は都での天皇・摂関家の同族争いや権力闘争に嫌気がさして、開放的な
海上都市”神戸”に憧れを抱いたのではないだろうか。
歴史に ”もし(if)” は許されないが、福原の都が続いていれば、神戸の
街はどうなっていたんだろう‥。
「清盛の 邯鄲(かんたん)の夢 福原京」 (ジミヘン)
◇お好み焼「高砂」 神戸市兵庫区和田崎町3-4-9
チャンポンもだん 700円
ビール(大瓶) 500円
◆「高砂」の過去エントリー
すじモダン焼き

チャンポンもだん

2012年02月23日
絶品の”チャンポンもだん” 「高砂」(神戸・和田岬)

薪の強い火力でお好み焼きを焼く、神戸下町のレジェンド(伝説)
名店NO.19 「高砂」
NHKの大河ドラマ「平清盛」の視聴率が芳しくないと聞く。
時代背景がなじみの薄い平安末期なので、視聴者側が戸惑っているというこ
ともあるが、脚本や演出にも原因があるのかもしれない。
最近の大河は、どちらかと云えば”女性好み”の路線が受けるようだ。視聴
者の半数が女性だから止むを得ないかもしれないが、今作は逆に荒ぶる男の
骨太なドラマを狙った。初回から今までは少なくともそんな感じ・・。
しかし、それが実に中途半端なのだ。源氏の武将はまるで少女マンガのヒー
ローのようだ。
さて、神戸中央市場前に「KOBE de 清盛 歴史館」がオープンしたので
出かけてみることにした。
◆店の概要
立地 : 古い住宅街の中
タイプ : 神戸風べた焼き
焼くのは: 店焼き
塗るのは: 店塗り
路地裏度: ★★☆ (限りなく近所の常連仕様である)
またまたやって来た、兵庫区の和田岬。ここは三菱重工の企業城下町であ
る。地下鉄海岸線和田岬駅を上がると、目の前に工場の敷地が広がっている。
今日はりんとした寒さだが、その代わり天気は良い。
広い道路を東方向へ歩き、いつものように細い道を左折した。道路には色鮮
やかな模様が描かれ、そこが市民の歩行者道路であることを示している。
その先にある児童公園を横切れば、目指す「高砂」さんだ。
この店は、味が良いこともさることながら今でも「薪」を燃料に使っている
ことで知られる。店の外壁には北国で見かけるようなレトロな金属製の煙突
が立っている。そして、店の前には「薪」が無造作に置いてあった。
入店した私は鉄板テーブルが2卓並んだ客席へ腰をかける。
鉄板はピカピカに輝いていて、気持ちが良い。お母さんに、「チャンポンも
だんと瓶ビール」を注文してから、熱々の鉄板に手をかざす。
おばあちゃんが瓶ビールを運んできて、グラスに注いでくれた。ありがとう。
お母さんは正面の焼き台で、もう”そば焼き”を焼き始めている。

1.キャベツ、中華麺、具材(すじ・海老・イカ・たこなど)を炒め合わせ、
ウスターソースを掛ける。
2.鉄板に生地(少しだけみじん切りキャベツが混ざっているよう)を丸く引
き、そば焼きを乗せてから、再度上に生地を回しかける。
しばらくして、裏返して整形した。
3.焼き上がれば、ひっくり返してソースを1種塗り、刻みネギをトッピング
してから私の前に運ばれた。
焼きそばを少量の生地で一体化したものが「神戸モダン」だから、モダン焼
きと言うより、ほとんど”焼きそば”のようだ。
美味そう! いただきま~す。
(続く)
2012年02月17日
「白樺」(大阪・住吉大社)

◆お好み焼き
生地 : 粘度のある生地
キャベツ: 粗いザクみじん切り
具 : 豚ロース肉
焼き方 : 大阪風まぜ焼き
ソース : ウスターソース+甘いお好み焼きソース
満足度 : ★★★ (決して飽きの来ない”鉄板”メニュー)
ビールのアテに丁度良いスモールサイズであるが、厚みがあるので思った
より食べ応えがある。
「いつもは音楽を鳴らしているんだけど・・」
店主が外出しているので、音楽の流し方が分からないとお母さんは申し訳な
さそうに言った。壁面には昔懐かしい真空管式のアンプやオーディオスピー
カーが並んでいる。
「’70年代頃はジャズ喫茶が全盛で、私もよく通ったもんです・・」と、
そんな話から店の歴史や、後継者がいないことなどをじっくりと伺った。
後続の客がやって来ないので、私も腰を落ち着けて色んな話をさせてもらっ
た。
甘いソースに加えて、マヨの濃厚なうまさと辛子の刺激、ケチャップの無邪
気な楽しさなどがミックスされた”大阪焼きワンダーランド”を堪能する。
お母さんは「不景気で客が減った」と嘆く。以前は、遠方からも来てくれた
が、景気が冷えて客数が激減した。しかも、近所の客は「いつ行っても満員
で入れない」と思われていて、なかなか来てくれないとか。
商売はムズカシイものだ。これも、有名店になった功罪なのかもしれない。
長い時間話し込んでしまった。ごちそうさまでした。
美味しかったです。また、来ますね。
さて、今回は住吉大社へは行かず、粉浜商店街を歩いて見ることにした。
前回通った時は閑散とした印象であったが、今回は随分と賑やかだ。
やはり食料品を扱う店が多い。精肉店、八百屋、魚屋、菓子屋など、店数も
結構ある。逆に、飲食店が少ないが、たこ焼きを売る店を2~3店見つけた。
ここ”粉浜(こはま)”という地名は、”粉もん”と係わりがあるような雰
囲気があるが、調べてみるとまったく関係がないようだ。
ウィキペディアを見ると次のような説明があった。
「粉浜の歴史:
かつては海に面していた。元は木浜という字であり、住吉大社の式年
遷宮の時の木材を置く浜だったことに由来する。」
肉屋の前でコロッケを揚げていた。いい匂いがする。
1個注文すると、おばちゃんは「ネコ舌じゃない?」と訊き、適度な温度の
ものを探して紙袋に包んでくれた。ありがとう。
火傷をしないように歩きながらパクついた。クリームのようにやわらかいポ
テトは甘くて、美味しかった。
近くの寺の前にこんな言葉が張りだされていた。私はコロッケを食べながら
その言葉を噛みしめた。
「欲深き人の心と 降る雪は つもるにつれて 道もわからん」
「生かさるる よろこびにおう 春の梅」
◇お好み焼「白樺」 大阪市住吉区東粉浜3-28-15
豚玉 630円
ビール(中瓶) 450円
◆「白樺」の過去エントリー
豚玉

2012年02月15日
王道の大阪豚玉 「白樺」(大阪・住吉大社)

古き良き時代のジャズ喫茶のような、なつかし昭和遺産
名店NO.18 「白樺」
マヨネーズがたっぷりと乗った王道の大阪豚玉と云えば、玉出「象屋」、
花園町「のぐち」「だるま」などを思い浮かべるが、住吉大社のこの店も外
せない。レトロな雰囲気が魅力の「白樺」だ。
◆店の概要
立地 : 駅近の路地
タイプ : 大阪風まぜ焼き
焼くのは: 店焼き
塗るのは: 店塗り
路地裏度: ★★☆ (粉浜商店街と住吉大社にはさまれている)
南海難波駅から和歌山市行きの普通電車に乗り、5つ目の駅が住吉大社駅。
駅の東側に住吉大社があり、西側には住吉公園が広がっている。
ここを始発に路面電車の阪堺電車が出ているので、線路や駅が入り組んでい
て、ちょっと複雑なエリアである。
今回は住吉大社の鳥居前まで出てから北上する。路面電車の踏切をひとつ越
え、左折すると懐かしい外観の店が現れた。
”民芸調”という表現が当たっているのか否かよく分からないが、白樺とい
う店名はやはり信州あたりの古民家を意識したのだろう。
店内はしんとしていた。
私が最初の客らしい。お母さんがひとり仕込みの最中だった。しかし、さす
がに名店である。年季が入った黒い鉄板は熱々に熱せられている。
カウンターに座った私はメニューをながめてから「豚玉と瓶ビール」を注文
した。一応、モダン焼きがオンメニューされていないことを確認したのだ。
夜遅くに来店すれば、白熱電球が落ち着いた雰囲気を作りだすのであろうが、
白昼に入店すると、店内の暗さに戸惑う。古色蒼然と云った空気が流れてい
る。
前回は初老の店主が焼いてくれたのだが、今回は店主の奥さんと思しきお母
さんが焼いてくれる。
1.混ぜカップにザクみじん切りのキャベツを入れ、その上に粘度のある生地
と卵を加え、よく混ぜ合わせる。
鉄板に油を引き、生地を丸く広げる。
その上に生地と同じ大きさの豚ロース肉を広げて乗せた。きっと特注で仕
入れている肉なのだろう。
更にその上に生地を少しだけ置いた。
2.3分間ほど焼き、トレードマークの海苔を1枚乗せてから裏返す。
直径15センチほどの可愛らしいサイズだ。
ここでじっくりと5分ほどの放置プレー。イイ感じで膨らんでいく。
私はビールを舐めながら、所在なげに店内を眺め見る。
3.お母さんはお好み焼きをL字型の鉄板の端っこに持っていき、表に返した。
思わず「場所を変えて焼くんですか?」と訊くと、理由を説明してくれた。
端っこの火力がマックスになっているので、仕上げにこの場所を使うとの
こと。なるほど!
3分後、ソースを2種塗り、マヨネーズ・練り辛子・ケチャップをたっぷ
りトッピングして私の前にやってきた。
おおっ、スゴイ。美味そうだ!
私はパリッと焼けた表面にテコを入れた。
(続く)
2012年02月10日
「ぼくのや」(西宮市)

◆お好み焼き
生地 : 粘度のある生地
キャベツ: やや細めのザク千切り
具 : 豚肉(バラ肉ではなく、ピンク色のもも肉?)
焼き方 : 独自のまぜ焼き=「ぼくのや流」
ソース : ややサラッとしたスパイシーなソース
満足度 : ★★★ (この店でしか味わえないファンタスティックな味)
いつものようにソースがあふれて鉄板の上で猛烈に泡立つ。もうもうたる湯
気が否が応でも食欲を煽る。
しっかりとした生地にやわらかく上品な豚肉の風味。キリッとした男前のソー
スが何とも言えずよく合う。そして、一味唐辛子の刺激が食欲を更に刺激する。
アア、美味い!
まぜ焼きにスパイシーなソースをかけるところが”阪神焼き”たる由縁だ。
サイズを(大)にしたので、(小)に比べ厚さがある。その分、濃厚な旨さに
欠けるような気がしたが、お兄さんは気を効かして、途中でソースを追い掛け
してくれた。
どこまでスゴイんだ。ありがとう。
巨大なお好み焼きを何とか食べ終えて店を後にした。熱い鉄板の前で食べ続け
たので汗をかいてしまった。
さあて、近くにある西宮神社へ寄って帰ることにしよう。今年は初詣も十日え
びすも来なかったので、気になっていた。
境内は静かだ。屋台が並んでいない参道を歩くことは滅多にない。参拝客が少
ないので、清々しくて良い。
池の手前に新しい建物ができていた。繁盛で何よりである。福の神「えびす様」
の総本社はいつでも元気であってほしい。
幼い頃は、正月になると親子5人が揃って初詣をした。家から30分ほども歩
いて出かけた。当時は歩くのが当たり前で、どこへ行くにも歩いたものだ。
神社の境内には多くの屋台と共に、様々な見世物小屋が立った。怪しげな「お
化け屋敷」の類いが多かったが、私が一番驚いたのは「回転バイク乗り」だっ
た。巨大な金属網で作られた球体の中をバイクが360度、全速力で走り回っ
た。小学生の私はコーフン状態でそれを観ていた。三丁目の一平君のように‥。
おみやげに竹光でできた刀を買ってもらい、夙川の沿道を兄とちゃんばらごっ
こをしながら帰ったものだ。すべて遠い昔の、セピア色の思い出‥。
阪神西宮駅へ向かう途中、神社の東側にある駅前商店街を歩いた。
かつては地域住民やえべっさんの参拝客でにぎわった通りであるが、ここもま
た’95年の大震災で壊滅状態になった。
多くの店が倒壊し、今では昔の面影を止めていない。マンションばかりが目立
つサビシイ街に変貌してしまった。
そんな中、一軒のなつかしい店を発見した。えびす焼きの店だ。えびす焼きと
はいわゆる回転焼きのことだが、西宮近辺では”えびす焼き”で通る。
看板にはストレートに「西宮名物 ゑびす焼き」とあった。
私は思わず店頭で、焼き立てのものを1個包んでもらった。黒あん1個90円
也。当時はいくらだったのだろう? 親子5人が揃って店内で頬張ったものだ。
なつかしい‥。
ほかほかの”ゑびす焼き”を歩きながら食べてみる。甘い餡もウマイが、皮の
もちもち感が素晴らしい。ああ、うまい!
再び、数十年前の街の喧騒に包まれる。母は着物姿で肩にショールをかけてい
た。横に居る父は若くてハンサムだった。しかし、その父は もういない‥。
私はすっかり、”ノスタル爺さん”になっていた。
◇お好み焼「ぼくのや」 西宮市宮西町7-2
豚お好み焼き(大)+後玉 850円
ビール(中瓶) 400円
◆「ぼくのや」の過去エントリー
ミックスモダン焼き

ミックス焼き

2012年02月08日
超ユニークな焼き技! 「ぼくのや」(西宮市)

豚と卵と天カスのダイナミックな競宴、常連客が熱愛する老舗
名店NO.17 「ぼくのや」
この冬一番の寒さに見舞われたこの日、「ぼくのや」の絶品お好み焼きを食
べたくなって久しぶりに出かけてみた。
まぜ焼きではあるが、普通の大阪風ではない。超ユニークな焼き方で焼きあげ
るお好み焼きは、この店だけのワンアンドオンリーな”ぼくのや流”だ。
◆店の概要
立地 : 市街地の幹線沿い
タイプ : まぜ焼き
焼くのは: 店焼き
塗るのは: 店塗り
路地裏度: ★★ (常連さんに店が占領されている)
阪神香櫨園(こうろえん)駅は夙川を跨ぐ形で造られたローカルな駅である。
春になれば多くの花見客であふれる場所であるが、この日は底冷えのする寒さ
でしんとしていた。
駅の改札を出て、ひたすら東進すると、国道2号と43号を繋ぐ幹線に出る。
ここを北上すると、人気お好み焼き店「来たろう」があり、その先に目指す「
ぼくのや」の黄色い看板が見える。
開店直後の筈だが、店内は客で一杯だった。すさまじい人気店である。
奥の鉄板前の席をひとつ開けてもらい、腰を下ろす。
私は一度チャレンジしてみたかった「豚お好み焼きの大」を高らかにコール!
「後玉(あとだま)」という一言も忘れずに言う。
後玉とはもちろん、最後に玉子をかぶせてもらう”儀式”を希望するという意
思表示である。
元気いっぱいの若い店主とお母さんの2人が仲良く、またケンカをしながら手
際良く焼いてくれる。
何度見ても、実にユニークな焼き方である。
1.混ぜカップにやや細目千切りのキャベツを満たし、粘度のある生地を足す。
その生地を混ぜながら鉄板に広げる。(これが第1層)
2.次に同様にカップに用意した混ぜ生地の上にたっぷりの豚(もも)肉を盛り、
その上に生卵を割り、これをこぼさないように箸でグルリンコと、混ぜなが
ら先の生地の上にかぶせる。(第2層)
3.その上にたっぷりの天カスをかぶせてテコでギュッと押す。
この段階で直径25センチ、厚さ4センチほどか?
5分経過後、エイヤ!っと裏返す。
4.ここでじっくりと6分間ほど焼き、油を出してからひっくり返した。
更に3分間焼く。ここがスゴイ! 最後まで手を抜かない。
後玉用の卵を鉄板上に割り落し、お好み焼きを乗せ、30秒。
表に返し、私の目の前にやってくる。
お兄さんはソースをたっぷり過ぎるほどザバーッとかけ、粉を少々振った。
焼きはじめてから丁度15分経っていた。
私は一味唐辛子を振りかけてからおもむろにテコを手にする。
フーッ、食べる前にこれだけのムズカシイ製造工程がくり広げられる。
まさに「ぼくのや」だけの一子相伝の焼きの技だ。学生のアルバイト君では絶
対にマネができないだろう。
今回、再発見したのは「お好み焼きの多重構造」だ。
つまり、プレーンな混ぜ焼き1層の上に卵混ぜ焼き1層が載り、その上に豚肉
・天カス・後玉が3層目として乗っかるワケだ。
おっと、説明が長くなった。巨大なお好み焼きを早速いただこう。
(でも、食べきれるだろうか‥)
(続く)