関西お好み焼き総研＋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おこのミシュラン　６６店目
（「えがわ」のすじ焼き）


　或るブロガー氏が、最近足繁く通っていると告白する庶民店が気になって、
訪ねてみた。ＪＲ新長田駅の北側にある「えがわ」という店だ。　

長田の町は９５年の大震災で大きなダメージを受け、その姿は変貌した。
ＪＲ新長田駅前には再開発ビルが立ち並び、ちょっぴり冷たい印象を受ける。
道路幅が広くなった商店街は人通りがまばらで、閑散としている。そして、
歩いている客はお年寄りが多い。
今回は、駅の北東部を歩いた。区画整理事業がゆっくりと動き出し、新しい
一戸建てがかなり建ってきてはいるものの、まだまだ空き地が目立つ。かつ
ての古い家並みはことごとく破壊され、撤去された。

「えがわ」は、低層ビルの１階にあった。やさしそうな老店主が迎え入れて
くれた。左側に大きな鉄板がデーンと据えてあり、右側に鉄板のないテーブ
ルが２卓ある。壁のメニュー表は、とてもシンプルだ。縦に「お好み焼き」
「そば焼き」「モダン焼き」・・とあり、横には「豚」「すじ」「たこ」「
ミックス」・・と並ぶマトリックス表になっていた。
私はオーソドックスな「すじ」の「お好み焼き」を選んだ。

1.生地を薄く丸く引き、粉かつお。その上にザク切りのキャベツ。
　大振りにカットされたスジコンと青ネギをのせてから、更に生地をかける。
　いわゆる、基本の「長田焼」だ。
2.ラードは塊りではなく、溶けた状態のものを使う。裏返して、押さえつけ、
　５～６分間も焼けば、もう出来上がり。全体的に小さなポーションなので、
　焼きあがりも早い。
3.自分で２種のソース（甘＋どろ）を塗ってから、一味と青のりを振った。


【今回食べたお好み焼き】　すじ焼き　４９０円
■生地　　　　ややもっちりとした長田風であるが、かなり食べやすい。　　　
■トッピング　煮込んだスジコンがたっぷりと乗った。旨い。　
■味　　　　　既に何十枚も同様の「のせ焼」をいただいたが、その中でも
　　　　　　　　直球ど真ん中の「長田焼」だと言える。伝統的でいて、旨い。　　　　
■ソース　　　長田の誇り「ばらソース」の甘口と激辛の「どべソース」。
　　　　　　　　「ばらのどべ」がメッチャ旨い！！　　
■店の雰囲気　こじんまりと収まった空間が、とてもイイ感じだ。　
■コスパ　　　文句なしのコスパ。下町のお好み焼きはワンコインだ！
　　　　　　

◇おススメ度　★★★　（満点は三ッ星）
　　　　　　何の変哲もない”下町のお好み焼き”だ。奇をてらわない素直
　　　　　　な味。それを食べ進んで行くと、段々と笑みがこぼれてくる。
　　　　　　旨いから、うれしい。だから、おばちゃんと話したくなる。
　　　　　　震災のことも話した。復興のために借金をした上に、今の不況
　　　　　　やからどうしようもないと店主は嘆いた。
　　　　　　しかし、話をしながら、こんな店が近所に欲しいと強く思った。　　　　　


【お店のデータ】
住所　　神戸市長田区細田町３－７－７
店名　　お好み焼き「えがわ」　　
電話　　０７８－６９１－６５０３



（店の外観）


（居心地がよい店内）


（生地の上にキャベツとスジを乗せて・・）


（裏返して、じっくりと焼く）


（さあ、ソースを塗りましょう）