関西お好み焼き総研＋

（宝亭の大貝焼き）


先般、和田岬の名店「高砂」を訪れた帰りに、兵庫運河の周辺を散策した。
神戸のお好み焼き文化を比較都市論の視点から考察した三宅正弘氏の労作
「神戸とお好み焼き」で紹介された兵庫区浜山地区が近かったからだ。

三宅氏によれば、この地域には昔からお好み焼き屋（＝にくてん屋）が数多
くあり、１枚の鉄板を客が囲んで食べる神戸式のレイアウトが下町コミュニ
ティを形成していたと言う。
私は地下鉄が走る県道沿いを和田岬＝＞御崎公園＝＞苅藻方面に歩いて、お
好み焼き屋を探したがほとんど見当たらなかった。あきらめかけたときに、
１軒の店を見つけた。それが、「お好み焼道場　宝亭」だった。店に入ると、
やさしそうな老夫婦が迎え入れてくれた。

さて、今回はお好み焼きの「大貝焼き」を注文した。貝（大アサリ）をお好
み焼きに入れるのは神戸独特のものである。オヤジさんに聞くと、瀬戸内で
採れる「本庄（ほんじょう）貝」という貝を使っているとのこと。「仕入れ
値が高いので、困る」とオヤジさんはぼやいた。
作り方はオーソドックスな神戸焼きだった。生地をクレープ状に薄く引き、
粉かつおと天かすを振る。ザクみじん切りしたキャベツをたっぷりと載せ、
横で焼いていた大貝（塩を少し振った）をのせてから、更に生地をかけて返
す。しばらく焼いてから私の鉄板へやってきた。
私は甘口と辛口のソースを塗り、粉かつおと青のりをかけた。


【今回食べたお好み焼き】　お好み焼き　大貝焼き　７５０円
■生地　　　　白いプレーンな生地。キャベツはザクみじん切り。
■トッピング　大貝をカットしたものが１０個ほども載った。
■味　　　　　貝のウマミが１枚を支配している。粉はややベタっとしてい
　　　　　　　た。
■ソース　　　甘口と辛口の２種のソース。辛口のピリ辛風味が良い。
■店の雰囲気　カウンターと４人がけのテーブル席が４卓ほど。落ち着ける。
■コスパ　　　貝は原価が高いので、この値段になるようだ。豚が５００円
　　　　　　　なので、コスパは良いだろう。
　　　　　　

◇総合評価　★★　　（満点は三ッ星）
　　　　　　生地がもったりするところがちょっと気になったが、大貝は
　　　　　　なかなか美味しかった。
　　　　　　「三十数年この店をやってる‥」と笑顔で語るおばちゃんは、
　　　　　　とても人なつっこい。そして、オヤジさんと本当に仲が良い。
　　　　　　いつまでもお幸せに続けてくださいね。
　　　　

【お店のデータ】
住所　　戸市長田区東尻池町８丁目２－１
店名　　お好み焼道場「宝亭」　　
電話　　０７８－６７１－６６６１


（店の外観）


（大貝焼きを焼くオヤジさん）


（大貝焼きのできあがり）


（赤いリボンは辛口ソース）