関西お好み焼き総研＋

　　　　　


　ホルモンを乗せた「そば入りお好み焼き」に激辛オリソースを塗る
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　名店ＮＯ．７　「珠（たま）ちゃん」


　◆店の概要
　　立地　　：　　住宅地の大通り沿い　　　　　　　　　
　　タイプ　：　　京都風べた焼き　　　　　　　　
　　焼くのは：　店焼き
　　塗るのは：　客塗り
　　路地裏度：　★★　　（近所の常連仕様。酒飲み店。）





　秋も深まり、朝夕随分と寒くなってきた。そろそろ紅葉の見頃だろう。
そうだ、京都へ行こう！

ＪＲ京都行の新快速に乗り、文庫本を広げる。大好きな作家・川上弘美さん
の短編集。こんな一節に目が留まる。

　『自動扉がジーという音をたてて開く。そのまま曇り空の下へと踏み出すと、
　秋の匂いがした。秋の匂いって、いったい何の匂いなんだろう、とわたしは
　ぼんやり思う。乾いていて、わずかに香ばしくて、少し悲しい匂い。』







京都駅の南口（八条口）を出ると、清冽な空気が顔をなでた。私はちょっと
身震いをして、ブルゾンのジッパーを首まで上げる。
河原町通を南下するつもりでいたが、どうやら竹田街道を歩いていたようだ。
九条通りまで出て、それに気がついた。
しかたがない。河原町通まで東進し、再度駅の方へ向かって歩いた。







開店直後の「珠ちゃん」には、常連と思しきオジさんが一人カウンターに座
り、店のお母さんと喋っていた。

さて、私は壁のメニューを眺め、「瓶ビールと、そば入りお好み焼きにすじ
とホソを入れてちょうだい」と注文をする。

この店はホルモンの種類が豊富で、ほとんどの客がそれぞれの好みの部位を
オーダーする。以前、「あらた」で食べた「アギ（牛のあご肉）」もメニュ
ーにあった。





お母さんの焼き方をじっくりと見る。

1.白い生地を丸くクレープ状に引き、粉かつお。
　ザク千切りのキャベツをたっぷりひとつかみ乗せ、紅生姜を振る。
　その上に中華麺１玉をそのまま無造作に広げた。
2.鉄板で少し炒めた”すじ”と”ホソ（小腸）”を載せ、天カスを置き、更
　に生地を回しかける。
　この状態で３～４分間待った。
3.裏返し、じっくりと焼く。
　「卵をのせますか？」とお母さんが訊く。「のせて！」と私。
　後乗せの玉子はオプションになっている。
4.割り落した卵の上にお好み焼きを被せ、３０秒間待って表に返した。
　私は甘口と辛口の２種のソースを塗り、粉かつおと青のりを振った。







テコで切ったときの断面が、白っぽくてちょっと心配になる。
さて、どんな味だろうか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（続く）