関西お好み焼き総研＋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おこのミシュラン　２４店目
（「のぐち」の豚玉）


地下鉄四つ橋線の花園町駅から東へ１分ほど行くと、路地に面して「のぐち」
の白いノレンと赤い丸提灯が見える。ここは、下町の繁盛店である。

開店時間が１２時半と、ちょっと中途半端な感じがする。直後に訪れたのだ
が満席だった。仕方なく、１時間後に再訪したら、何とかテーブルがひとつ
だけ空いたところだった。店内は（換気が悪いのか？）油まみれである。
それでも、イヤな感じはしない。お好み焼きの匂いと油が染み込んだ老舗な
のだ。

４卓の鉄板テーブルの他に、焼き手用の鉄板が奥にひとつある。その中で、
（年齢不詳の？）お兄さんが忙しそうにお好み焼きやそばを焼いている。
とにかく忙しい。次から次に客が現れ、注文し、食べ、代金を払い出て行く。
お兄さんは店内をすばやく走り回り、片付けをし、水を配り、お好み焼きを
持って行き、更にテイクアウトの準備までしている。
私は、とりあえずのビール（キリン大瓶）と豚玉を注文して気長に待つこと
にした。隣りの客は自分で冷蔵庫から缶ビールを取り出して、プシューッと
やっている。近所の住人に愛されているのが見て取れる。

さて、豚玉は意外に早くやって来た。相当な火力で手早く焼いてくれたのだ
ろう。目立ったのは大量に盛られたマヨネーズだ。誰かのブログにこんな記
述があったのを思い出した。
　「マヨネーズは少な目でと言っても、ドボーっと塗られてしまう危険性
　　はあるがそんな時はテコに取り、鉄板で焼いてソースの香りに混ぜて
　　空気にすればいい・・。」
なるほどね。でも、私はたっぷりのマヨの上からソースを塗りかさねて、粉
かつおと青のりを振った。


【今回食べたお好み焼き】　豚玉子入り　５３０円
■生地　　　　いわゆるオーソドックスな混ぜ焼きの生地である。
■トッピング　豚バラ肉が乗っているのであろうが、天カスの風味が際立っ
　　　　　　　ていて、よく分からない。
■味　　　　　「外パリ中ふわ」で、なかなかにＧＯＯＤだ。
■ソース　　　甘すぎないソースはやはり「ヒシウメソース」か？
■店の雰囲気　テレビで見た東京浅草の老舗を彷彿させるレトロな趣き。
■コスパ　　　かなりのミニサイズ（直径１５cmほど）だが、コスパ良し。
　　　　　　

◇総合評価　★★　　（満点は三ッ星）
　　　　　　初めて訪れた西成のお好み焼き店巡りであったが、非常に面白
　　　　　　く、興味深いものだった。お好み焼きの内容そのものよりも、
　　　　　　客を”マンウォッチング”している自分がいた。
　　　　　　ひとつの焼きそばを差し向かいで食べながら延々とおしゃべり
　　　　　　しているおばちゃん達。こちらでは中年のおじさんが一人で（
　　　　　　平日だというのに）ビールを飲みながら他の客とダベっている。
　　　　　　（他人のことは言えないが・・）
　　　　　　”大阪庶民の社交場”という言葉が浮かんだ。こんな風に地元
　　　　　　に根付いた店はずっと続いていくだろう。　　　
　　　　　　

【お店のデータ】
住所　　大阪市西成区花園北２－１５－７
店名　　お好み焼き「のぐち」　　
電話　　０６－６６３２－０７０８


（店の外観）


（レトロな雰囲気が漂う店内）


（ちょー忙しいお兄さん）


（パリッと焼けている。うまそう！）