関西お好み焼き総研＋

（甚六の豚モダン焼き）


大阪の混ぜ焼きお好みの名店は多い。「風月」や「ぼてじゅう」などのチェ
ーン店の実力も相当に高いが、やはり職人が一所懸命に焼いてくれる老舗の
方に私は惹かれる。
というワケで、天神橋筋１丁目にある名店「甚六」を訪ねた。店内に入ると、
壁には有名人と一緒に写った写真やテレビ出演したときの写真などが誇らし
げに飾ってある。頑固そうなオヤジさんに「豚モダン」と瓶ビールを注文し
て焼き方をじっくりと観察する。
①みじん切りキャベツと天かすと少量の生地が入ったボウルをていねいに混
　ぜ、空気を入れながら鉄板に広げる。
②その横で中華そばを炒め、ソースをからめてから①の上にのせる。
③ちょっと厚目の豚の三枚肉をのせ、その上に溶き卵を薄く豪快に広げてか
　ら裏返し、フタをしてじっくりと蒸し焼きにする。（このとき、脂分を足
　すために脂肉片を横に置いたところを私は見逃さなかった。）
④７～８分後、やっと裏返してソース・ケチャップ・マヨネーズ・辛子など
　を塗り、最後に刻み海苔をトッピングした。

【今回食べたお好み焼き】　豚モダン焼き　　９８０円
■生地　　　　ふっくらと柔らかい生地。キャベツは粗みじん切り。
■トッピング　分厚い豚バラ肉。ソースの上には刻み海苔だけ。
■味　　　　　押さえつけずにじっくりと焼かれた生地はソフトで、ふんわ
　　　　　　　りしている。豚肉の風味がすばらしい。
■ソース　　　オリバーソースを使用しているが、ケチャップを足すので、
　　　　　　　かなり甘く感じる。ピリッとくる辛子がイイ仕事をしている。
■店の雰囲気　老舗の風格がある。広すぎず狭すぎず、適度な広さ。
■コスパ　　　値段を最初に見たとき、高すぎると思ったが、仕事ぶりとそ
　　　　　　　の味を知ってからは納得せざるを得ない。
　　　　　　

◇総合評価　★★☆　　（満点は三ッ星）
　　　　　　　実に手間と愛情が入った一枚だった。
　　　　　　　こだわり、誇り、自信を感じる店である。店内にも「味にか
　　　　　　　けた心意気」の張り紙が‥。長年の修行の末にたどり着いた
　　　　　　　境地かもしれない。
　　　　　　　ただ、惜しむらくは、中華そばにからんだソースのパンチが
　　　　　　　効いていないのと口休めのサラダをオプションにしてほしい
　　　　　　　点だ。

【お店のデータ】
住所　　大阪市北区天神橋１－１３－１１
店名　　お好み焼き「甚六」　　
電話　　０６－６３５３－４８１６

（甚六の外観）


（そばを焼いているオヤジさん）


（出来上がりました）