関西お好み焼き総研＋

　天満界隈で最近面白いのは”天満市場”の周辺なのだが、この日は雨と風
が強いので訪問を断念した。
アーケードを進み、テレビで紹介された「一松食品センター」を覗いてみた
が、昼間から開けている店は少ない。夜飲みで使う店が多いのだろう。

さて、ドトールでコーヒーを飲む代わりに、「うまい屋」でビールを飲むこ
とを思いついた。我ながらグッド・アイデアだ！
「天五中崎通商店街」に入ると、すぐにこのたこ焼きの老舗が見つかる。い
つものように店頭の焼き台で、若主人が”うまい”たこ焼きを焼いている。







店内に入り、たこ焼き８個とビールのオーダーを告げる。
程なく、かわいらしい小皿に乗った黄色いたこ焼きが運ばれた。いつ見ても
ツヤツヤとして美味そうだ。
この店のたこ焼きはしっかりと下味がついているので、そのままでも食べら
れるが、私は必ずソースを塗る。こんなところだけ、私は保守的な人間だ。

先代の親父さんと若主人で、焼き方が若干違うようだ。息子さんのは食感を
ややしっかり目にし、下味を強くしている。決してどちらが良くて、どちら
がダメと言うことではない。個性が感じられてますますこの店が好きになる。





昼酒を飲んで気分が良くなったところで、もうひとつのお楽しみ「大阪くら
しの今昔館」へ行くことにしよう。
この施設は、天六に建つビルの上層階に「江戸時代の大阪の町」を再現して
しまったという面白いものである。子供たちが勉強に来るというより、大人
が来場して江戸時代の生活ぶりに想いを馳せる場所だと思う。





町の木戸門を抜けると、大通りがまっすぐ伸び、両側に呉服屋や小間物屋な
どが並ぶ。風呂屋もある。この風呂屋がなかなか面白い。手前が脱衣所にな
っており、続いて石敷きの洗い場、そして一番奥に浴槽があるのだが、木製
の仕切り壁で隠れている。人は「ざくろ口」と呼ばれる小さな入り口から屈
んで入り、真っ暗な中、湯船に浸かったようだ。つまり、湯気を外に逃がさ
ない構造になっていたのだ。
昔の人は、省エネに熱心な「エコな人々」だったんですね。







町家の裏手には喜六や清八らが住む裏長屋がある。ここも実に興味深い。
上方落語の演目「盗人の仲裁」や「青菜」などに出てくる４畳半一間のささ
やかな借家。狭い土間には、小さな”へっつい”と水がめと流し。
これ以上ないというシンプルライフだ。そんな生活に憧れがあるので、何度
もこの場所へ足を運びたくなるのかも知れない。


今日は悪天候だから早く帰宅しよう。ぶらぶらとＪＲ天満駅を目指す。
しかし、駅が近づくと、どうしても冷酒かチューハイをひっかけたくなる。
これはクセのようなものだ。
駅前の狭い通りに新しい串かつ屋を見つけた。店名は「七福神」。
アレッ、商店街に立つ繁盛店の支店だろうか？　それにしては内装が今風で、
雰囲気が違い過ぎる。

軽く一杯だけ、と自分に言い聞かせて入店。コの字型のカウンターだけのす
っきりとしたレイアウトの店だ。とりあえずドリンクメニューの一番上にあ
る角ハイボールを頼む。
さて、串は＜牛かつ・玉ねぎ・じゃがいも・いわし＞の（自ら名付けた）黄
金セットで様子をみることにしよう。牛かつだけが３本セット販売のところ
も例の店と一緒だ。





と言うことは？　メニューを再度ながめてハッと息を飲んだ。
「ビール生中　１杯目はたったの１００円」のフレーズを発見！

そそくさとハイボールを空け、急いで１００円ビールを注文する私。
うむ、余りに　『小市民』！



◇たこ焼き「うまい屋」　大阪市北区浪花町４－２１　　　　
　　　　　　　　　　　　　たこ焼き（８個）　　３２０円
　　　　　　　　　　　　　ビール（中瓶）　　　４５０円



◇串かつ「七福神」　　大阪市北区天神橋４丁目？　（天満駅前）　
　　　　　　　　　　　　　串かつ（６本）　　　　６５０円

　　　　　　　　　　　　　ビール生中　　　　　１００円（但し、１杯目）
　　　　　　　　　　　　　角ハイボール　　　　３００円