関西お好み焼き総研＋

　今さら通い慣れた「春日野道」訪問でもなかろうが、”なでしこジャパン”
で盛り上がっている「大安亭（おおやすてい）市場」をちょっと覗きたくな
って、出かけてみることにした。
澤キャプテンを始めとするＩＮＡＣ神戸の選手たちが、普段の買い物に利用
している市場として一躍有名になった。





阪神春日野道駅を降り、地上へ出ると春日野道商店街の入り口になっている。
メインの通りは道幅が広いこともあって、平日はいつも閑散としている。
少し北進すると、「旧西国街道」の案内板があり、交差点に石標が立ってい
る。西国街道とは、京の都と九州の太宰府を結ぶ主要幹線として整備され、
江戸時代には大名行列などに利用された。







生鮮品を扱う店は少なく、飲食店も喫茶やグリルが多い。左右の枝道には、
飲み屋などがあるので、夜に来ればまた違う印象があるのかもしれない。
ぶらぶらと歩いていると数分で阪急春日野道駅に着いてしまった。
駅前には”なでしこ選手”が行きつけのホルモン焼き肉の店があった。夜に
訪問すれば、メンバーに遭遇するかもしれない。（でも、国民栄誉賞をもら
った今、このような超庶民店は当分おあずけでしょうね‥）







阪急の山側にも通りが続いていたので、歩いてみよう。
看板を見ると「かすがの坂」とあり、龍となまずのイラストが描かれている。
うむ、龍となまず！　謎を呼ぶ組み合わせだ。

すぐに右折をすると、「中西市場」という小さな市場があり、更に奥には「
大日六商店街」というちょっと寂しい商店街が伸びていた。
昔はこのような生活者のためのミニ商店街が縦横に走っていたのであろうが、
特に大震災以降は、どんどんと寂れていった。







さて、春日野道本通りに戻った私は、軽く蕎麦でも食べようと思い、感じの
良さそうな蕎麦屋に入った。店名は「東雲（しののめ）庵」という。
天ぷらやかやくご飯が付いたような定食はないので、冷たい蕎麦を単品でも
らおう。メニュー「ひやかけ」の下に「すだち（かけ）」というものを発見。
店のお姉さんに訊くと、「ひやかけにすだちがのっているものです・・」と
いう至極あたりまえの説明だった。そもそも「ひやかけ」なるメニューを見
るのも初めてである。

しばらくして、丼の表面に輪切りのすだちがたっぷり載った冷たい蕎麦が運
ばれた。お姉さんは「すだちを箸でつついていただくと香りが立ちますので
‥」と言葉を添えた。
私はすだちをつんつんと突きながら、麺をすする。つんつん、つるつる。
つんつん、するする。なるほど上品なすだちの香りが鼻に抜ける。手打ちの
蕎麦もウマイ。





しかし、ただひたすらに単調である。冷たい麺と冷たい出汁を柑橘の香りを
頼りに食べ進む。う～む、Ｂ級グルマンの私にはいかにも上品過ぎる一品だ
った。おにぎりでも頼むべきだった‥。（汗）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（続く）



◇そば処「東雲庵」　神戸市中央区東雲通１－６－１５　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　すだち（かけ）　　７５０円