関西お好み焼き総研＋

　今回は番外編です。関西を離れ、ちょっと遠征してきました。と言っても、
四国４県の中では最も上方文化圏に近い「阿波徳島」です。
目的は「徳島ラーメン」と「徳島のお好み焼き」を堪能したい、といういつ
もの”食い意地”。いい歳をして何ともお恥ずかしい限りです。

三宮から高速バスに乗って、２時間ほどでＪＲ徳島駅前に到着。駅前には背
の高いヤシの木とその後ろには百貨店「そごう」の建物が‥。





駅の近くにある中央公園へ行くことにした。地方の県庁所在地に行くと、必
ず城址公園がある。ここ徳島もご多分にもれず、蜂須賀家の居城であった徳
島城の城跡が公園として整備されている。
「徳島城博物館」の庭園が見事だった。回遊式のその庭は京都のひっそりと
した庭とは異なり、明るい南国の爽やかさがあった。







さて、遅い昼食を取ることにしよう。「はやしのお好み焼き」という地元で
長く愛されているお好み焼き店を訪れることにする。
徳島では甘く煮た金時豆をトッピングする「豆天」が有名だが、今回はパス
した。主食とデザートを混ぜたような趣向はちょっとどうも・・。
（私も意外に保守的なところがあるようだ）

「肉天玉」を焼いてもらった。混ぜ焼きの生地に豚肉と（小海老の）天ぷら
をのせて焼いたものだ。
おばちゃんは大テコで両面をパンパンと叩き、時々生地を足しながら焼いて
いく。いわゆる「補修型」という焼き方だ。（もちろん筆者が命名した）
東神戸の「すえちゃん」や大阪たこ焼きの名店「うまい屋」が、この方式を
採っている。親子丼の卵を２度に分けて加えるように、ふっくらと出来上が
るのだと思う。







素朴で面白いお好み焼きだった。下町庶民派のお好み焼きというよりも、も
っと屋台風のものだ。二つ折りにして出すところは、まさに屋台の”にくて
ん”や”はしまき”に近い。生地はたこ焼きのようにトロ～ンとしているが、
決して重くない。生地へのこだわりが、長く愛される店を作った。


新町川沿いのおしゃれな公園をぶらぶら歩いた。
この町は清潔でキレイな町だ。市民の努力が結実しているようでうれしくな
る。
ホテルに入る前に居酒屋で一杯飲りたくなった。
アーケードの商店街を歩いていると、感じのよさそうな店が目に付いた。
割烹なのか居酒屋なのかよく分からないが飛び込みで入って見ることにする。
これが大正解だった。突き出しに出た「ほたるいかとわけぎのぬた」「カニ
身のカニ味噌和え」、そして「天然鯛のお造り」はどれも大人の味わいで、
うなる美味さ。
純米酒を冷えたワイングラスでいただくと一日の疲れが酔いの中に溶け込む
ようだ。明日はロープウェーで眉山（びざん）に登ろうと思う。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（続く）









◇「はやしのお好み焼き」　徳島市南内町１－３０－１　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　肉天玉　　９１０円

◇割烹「に志もと」　徳島市籠屋町１－１７　
　　　　　　　　　　　　つきだし、鯛造り、純米酒　　合計　３，１００円