関西お好み焼き総研＋

　この所、かなり頻繁に新世界界隈へ出かけるようになった。目的は「落語
昼席」を聴くためである。
天満に繁昌亭ができてからしばらく通ったが、どこか落ち着きのない騒がし
さが気になった。その後、新世界に「動楽亭」ができて、その違いがよく分
かった。
繁昌亭は観光客を誘う劇場であり、動楽亭はほんとうに落語が好きなファン
が噺を聴きに行く小屋であると‥。

地下鉄恵美須町駅で降り、階段を上がると目の前に通天閣がそびえ立ってい
る。決してスマートとは言えないこのタワーを見ると、「また来たよ」と声
をかけたくなる。









魚屋、うどん店、韓国料理の店、そして「新世界市場」が伸びている。
市場の入り口にある履物店に、こんな看板が掲げられている。「ハンドメイ
ドＪＡＺＺ　澤野工房」。本格的なジャズのオリジナルＣＤを制作している
澤野さんの店である。ジャズファンなら誰もが知っている有名な履物店だ。


昼食を老舗そば屋「更級（さらしな）」で取ることにした。昔、一度入った
記憶があるが、久しぶりの訪問である。店内はレトロな雰囲気が漂っている。
長く大きなテーブルが８卓ほどもあるだろうか？　かなりのオオバコ店であ
る。
私は「親子丼」と「ミニそば」を注文した。甘辛い丼を食べたい気分だった。









通天閣の足元を抜け、賑やかな「通天閣南本通商店街」へ入る。この界隈か
らジャンジャン横丁までのエリアに若い観光客が押し寄せる。ハデハデしい
立体看板や、新世界名物の”ソース二度浸け禁止串カツ”、たこ焼きなどの
看板が通りの両側にあふれている。
このにぎわいを見ると、先ほど通ってきた通天閣の北側にある「通天閣本通
商店街」の寂しさが際立つ。これをキタの人は”新世界の南北問題”と呼ん
でいるとか。
キタにも観光客を呼び込もうと、「ミナミは串かつの街、キタはお子様ラン
チの街」というＰＲを始めた。家族連れにも来てもらおうということのよう
だが、ちょっとシンドイ‥。

若い観光客とキャップを被ったオヤジたちとでにぎわいを見せるジャンジャ
ン横丁を通り、動楽亭を目指す。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （続く）










◇そば「総本家　更級」　大阪市浪速区恵美須東１－１７－１０　
　　　　　　　　　　　　　　　　親子丼＋ミニそば　　８５０円