関西お好み焼き総研＋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ジャンル：５－１　粉もん系－お好み焼き、焼きそば

（「本多」のスジお好み焼き）



　昨年の秋、京都「東福寺」の紅葉を愛でた帰り、東九条まで足を延ばした。
京都ラーメンのルーツが京都駅近くの”たかばし”にあるように、京都のお
好み焼きのメッカはここ”東九条”だと信じる。

京都九条系のフラッグシップ店「よっちゃん」の周りには庶民的なお好み焼
き店が多くある。大通りに面した「珠ちゃん」、路地裏の人気店「林」、そ
して陽が沈むと「博美家」に多くの客が集まる。今回は、一度訪ねてみたか
った地元密着店を目指す。
”黒潮市場”のすぐ南側の路地を少し東へ歩くと、「え？　これが店なの！」
といった佇まいの店が現れる。”お好み焼き”と染め抜いたノレンがあるだ
けで店名も分からない。

店内は無人だった。「すいませ～ん」と声をかけると、奥で作業をしていた
お母さんが「ちょっと待ってね」と応えた。しばらくしてからお母さんが出
てきて、席に案内してくれた。鉄板テーブル席が３卓だけある。雰囲気が明
石東二見の「のぶちゃん」によく似ている。古くからある下町店だ。
壁のメニューを見る。「お好み焼き」「焼きそば」の横に小さな字で肉や玉
子の文字が見えるが、よく分からない。「スジのお好みはありますか？」と
訊くと、「ありますよ」との返事。
私は「スジ玉のお好み焼き」を注文した。お母さんは、そばかうどんは要ら
ないのかと食い下がった。この店では”そば入り”が人気らしい。

缶ビールを舐めながら、お母さんの焼き方を観察する。
１）大きな金属製ボウルに入ったシャブシャブの生地を丸く広げ、かつお粉
　　を振る。その上にザク切りのキャベツをたっぷりと乗せる。
　　更にちくわ、茹でたイカとスジ肉をトッピングして再度生地をかける。
　　オーソドックスな京都風「べた焼き」である。
２）数分後裏返し、５～６分間しっかりと焼いた。
　　その間に近所の常連さんがやって来て、店内がにぎやかになる。
３）鉄板の温度が高いので、もう焼けたようだ。お母さんは卵を割ってから、
　　その上にお好み焼きを乗せ、すぐにひっくり返した。
　　私は甘口と辛口の２種のソースを塗り、かつお粉と青のりを回しかけた。


【今回食べたＢグルメニュー】　スジお好み焼き　６１０円

【レビュー】
　　　　　　「林」さんよりも「珠ちゃん」よりも”ぐじゃっと感”が強い。
　　　　　　つまり、ほとんど整形されていない。
　　　　　　私は熱々の生地とキャベツをテコですくい、味わう。うむ、熱
　　　　　　い！　でも、ウマイ。　生地がトロトロだから、火傷しそうだ。
　　　　　　ゴロゴロ入ったイカの風味が良い。大きくカットしたスジ肉は
　　　　　　ちょっと固かった。正統派の京都風「べた焼き」だが、とても
　　　　　　プリミティプな感じがした。そして、すごくディープだ。

　　　　　　まったく洗練されていないが、近所のおっちゃん・おばちゃん
　　　　　　達にずっと愛されている店だ。いつまでも残してほしい「下町
　　　　　　の文化遺産」のような店だった。



◇おススメ度　★★☆　　（満点は三ッ星）
　　

【お店のデータ】
住所　　京都市南区東九条？
店名　　「本多」？　　
電話　　不明


















（雰囲気のある店内）


（キャベツと具材をのせて‥）


（更に生地をかける）


（もう焼けたようだ）


（いただきま～す）