関西お好み焼き総研＋

　　　　　　


　一度は行きたいと思っていた念願の店を訪れた。心斎橋にある”ねぎ焼き”が評
判の「三平」さんだ。
場所は多少分かりづらい。地下鉄御堂筋線の心斎橋駅で下り、心斎橋筋を南下
する。交差する通りを３つ４つやり過ごし、もう少し進むと道頓堀にぶつかるという
手前を左折。路上に看板が出ていた。店は雑居ビルの１階にある。お好み焼と書
かれた赤提灯を見つけ、ホッとして入店した。


　　　


店内はまるで北新地にでもあるステーキハウスのよう。余裕のあるカウンター席
が１５席ほど並んていて、ちょっとイイ雰囲気だ。
メニューの中から人気の「ねぎ焼き（牛すじ＋こんにゃく＋じゃがいも）」を選び、注
文する。真面目そうな若い店主が早速、焼き始めた。


　　　


１）青ネギや紅生姜を混ぜ込んだやわらかい生地を、ベースとして丸く広げる。
　　その上に煮込んだ牛すじ肉・拍子木に切ったこんにゃく・サイコロ状の茹でたじ
　　ゃがいもをていねいに並べた。店主はきっと「Ａ型」に違いない。

２）その上に刻んだ青ネギをひとつかみドカッと載せる。
　　上から生地を垂らして整形する。


　　　


３）しばらくして裏返し、（決してテコで押さえつけず）慈しむように焼いてゆく。
　　様子を見ながら丸フタを被せた。

４）１０分ほどして焼けたようだ。醤油を塗るかソースにするか訊かれたので、勿論
　　ソースを選択する。更にマヨは半分だけ掛けてチョーダイとわがままを言った。


　　　


かなりの厚みがある。４～５センチほどもありそうだ。
テコで切り分けながらいただく。生地が少ないので、野菜焼きでも食べているようだ。
ヘルシーで上品な感じがする。
下味を付けたこんにゃくが美味い。そして、じゃがいもが良いアクセントになっている。
神戸の下町店だったら、豪快に”スジコン”を炊いて、ドサーッと加えるのだろうが、
この店はすべてが上品だ。


　　　

　　　


店主と少し言葉を交わした。８年間ほどこの場所でやっているらしいが、彼の味の
ルーツを聞き出すことは出来なかった。
本来、お好み焼きの前身である「洋食焼き」にキャベツが使われるまでは、手近に
あったネギが使われていた。やがて、キャベツを使う「のせ焼き」や「混ぜ焼き」が広
く親しまれる中で、十三の「やまもと」さんや千日前の「福太郎」さんがネギ焼きの
現代版を作り出す。
つまり、「ねぎ焼き」は古くて新しい粉もん、ということになる。

初めていただいた”三平のねぎ焼き”は、コテコテじゃなく上品なので、ＯＬや観光
客に受けるのではないだろうか？　ごちそうさまでした。




　　

　　　　◇お好み焼き三平
　　　　　　　大阪市中央区心斎橋筋２－２－１０

　　　　　　　　　ねぎ焼き　　　　　　　　　 　１，３００円
　　　　　　　　　　（牛すじ・こんにゃく・じゃがいも）
　　　　　　　　　瓶ビール（中）　　　　　 　　　　５００円