関西お好み焼き総研＋

　　　　　　　


▼数年前にリニューアルしてからこの市場の存在感が増した。どうしても一度
行ってみたい大阪のスポットになった。民営の卸売市場「木津市場」である。


　　　


地下鉄大国町駅を降り、東方向へ２～３分歩くと、市場の建物が見えた。
中央に特徴的な三角屋根があり、「木津卸売市場」の文字が浮かび上がる。
時計を見ると”１１時”。今回も遅すぎる。ほとんどの店は後片付けをしている。
鮮魚店が軒を並べ、奥へ行くと、乾物屋があり、更に進むと青果、精肉の店が
ある。ざっと１７０ほどの卸売店が狭いエリアに密集しているので、逆に効率が
良さそうだ。


　　　


大きな通路をはさんで、対面にはスーパーがあり、その２階はスーパー銭湯に
なっていた。これは面白い。市場のお兄さんも、汗をかいた後に銭湯に浸かる
のかもしれない。


　　　



▼一通り見て周ると、もうすることはない。飯を食うことにしよう。今回の候補
店は２つ。ひとつは大阪風地焼きうな丼の「川上商店」であり、そしてもうひと
つは「うどんの大和」。こちらの”肉巻き定食”がずっと気にかかっていた。
すき焼き風の牛肉を出し巻き玉子でサンドして、たっぷりのすき焼きダレをか
けた濃厚な一品。おいしくない訳がないだろう。
悩んだ末、前者の”うなぎ屋”にした。今年の土用の丑の日は、”うな丼”を我慢
した。折角だから、ここでいただいて帰りたい。


　　　　　　　


川上商店さんは店頭で蒲焼きや弁当を販売している。店内は、意外と言って
は失礼だが、小ざっぱりとしていた。
「まむし」と「うまき」を注文し、迷ったがやはり瓶ビールをお願いした。
隣の席の３人組がビールをうまそうに飲んでいたから・・。


　　　


▼ビールで喉を潤していると、うな丼とう巻きが同時に運ばれた。丼のフタを取
ると、小ぶりの丼に大きな鰻蒲焼が２切れ乗っている。うむ、美味そうだ。
粉山椒をたっぷりと掛けて、早速パクリ。　おおッ、ウマ～イ！
地焼きにしては表面のパリッと感が不足しているが、分厚い身のふっくら感と、
何より絶妙なタレの風味が際立っていた。甘過ぎず、かといって辛くない。
絶品の蒲焼タレであった。


　　　


「うまき」も意外なほどアッサリとして、上品な佇まいである。
大満足した。　質・量ともに小生の好みにピッタり。何よりコスパが良い。

今年の春に体験した地焼きうな丼の関目高殿「魚伊」が、堂々たる老舗の
名店であれば、川上商店は市場に併設された庶民派の高コスパ店である。
今後も機会を見つけて訪れてみたいと思う。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　


　　　　◇うなぎ　「川上商店」
　　　　　　　　大阪市浪速区敷津東２－２－８　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　木津卸売市場

　　　　　　　　　まむし　　　　　　　　１，３００円
　　　　　　　　　うまき　　　　　　　　　　３００円
　　　　　　　　　ビール中瓶　　　 　　　５００円