関西お好み焼き総研＋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おこのミシュラン　４８店目
（斉元の豚お好み焼き）



　サックリした生地とキャベツの食感、そして脳天直撃の辛い韓流タレ。
私は久しぶりに感動して、うれしくなった。

「神戸生田川系」の名店として誉れ高い「斉元（さいもと）」を訪問した。
昨年、一度訪れたときは満席で、しかたなく断念した。地元の常連客でいつ
も満席のこの店は、はっきり言って一見客は入りにくい。
しかし、この日は運良く空いていた。私は「いいですか？」と断ってから席
に着く。店内には大きな鉄板が一枚あり、その周りを丸イスが８つほど取り
囲んでいる。いわゆる伝統的な神戸スタイルを今に留めている貴重な店の一
つだ。
元気のいいママさんが、客の注文を次々と聞き、豪快にスピーディーに焼い
ていく。或るブロガーは、このスタイルを「戦国時代の軍議方式」と呼んで
いたが、常連客の中にすっぽりと入ってしまうと、軍議というよりも急遽「
お誕生日会」のテーブル席に着いてしまった子供のように、ボーッとして戸
惑ってしまう。
私は「ぶた焼」を注文して、焼き方を観察した。

1.生地をかなり薄く引いて、たっぷりの粉かつおを振った。
　そこへ千切りキャベツを無造作に乗せ、豚肉と天カス・刻みネギを置き、
　更に生地を回しかける。
　程なく裏返して少し押え、そのままの状態で６～７分間焼いた。
　鉄板の火力はかなり強い。薄焼きをここまでしっかりと焼くところに、私
　は『名店の条件』を見た。
2.裏返すと、しっかりとパリッと焼けていた。そのまま私の前にスライドし
　て「どうぞ！」と言った。私はソースを塗り、辛い韓流タレを（ママさん
　に）塗ってもらってから粉を振って食べ始める。


【今回食べたお好み焼き】　お好み焼き　ぶた焼　５００円
■生地　　　　白いプレーンな生地。キャベツはザク千切り。
■トッピング　ごく普通の豚バラ薄切り肉が５枚ほど。
■味　　　　　味よりもサクサク食感に惚れ惚れとする。とにかく旨いのだ。
■ソース　　　地元のプリンセスソースを使用。焼きそばを焼くときは、こ
　　　　　　　　のソースを１升瓶から直接注ぐ豪快さ。
■店の雰囲気　鉄板が１枚だけの店だが、狭苦しくなく清潔感がある。
■コスパ　　　コスパは良い。神戸の「のせ焼き」はワンコインで！、とい
　　　　　　　　う当研究所の希望に叶っている。
　　　　　　

◇おススメ度　★★★　　（満点は三ッ星）
　　　　　　この旨さは、文句のつけようがない。
　　　　　　客は次から次に入ってきて、勝手な注文をする。「スジとカス
　　　　　　を入れて！」「うどん２つ玉にカスとタコ！」等々。
　　　　　　見ていると、煮込んだ「牛スジ肉」がプリッとして、美味しそ
　　　　　　うなこと。ヨダレが出そうだ。次は絶対にこれを注文しよう。

　　　　　　おっと、先の『名店の条件』の話だ。薄焼きなら７～８分じっ
　　　　　　くりと焼く。そして、まぜ焼きなら１０～１５分以上じっくり
　　　　　　と辛抱して焼く。これをやる店が間違いなくウマイ店だ。
　　　　　　焼きがアマいと、絶対に「名店」にはなれない。

　　　　

【お店のデータ】
住所　　神戸市中央区北本町通６丁目１－２２－２　
店名　　お好み焼き「斉元　さいもと」　　
電話　　（公表していない）



（店の外観）


（キャベツと豚肉がたっぷりと乗った）


（カリッと焼けた！）


（これが、生田川です）