岐阜・長良川への旅  【岐阜市】   2/2

ジミヘン

2011年09月30日 07:56





   

 ♪雨の降る夜は 心もぬれる  まして一人じゃ なお淋し
  憎い仕打ちと うらんでみても  戻っちゃこない あの人は
  ああ ああ 柳ヶ瀬の 夜に泣いている~


 昭和41年にヒットした美川憲一の「柳ヶ瀬ブルース」は、岐阜の歓楽街
の名を全国に知らしめたが、今ではずいぶんと寂しい通りになっていると聞
いた。
長良橋通り側から入り、商店街を高島屋方面へ歩いた。縦横に小さな通りが
あって、かなり広い。夜に来れば、それなりに酔客を呼ぶ店が多くなるのか
も知れないが、昼間はどこにでもある地方都市の商店街だった。





考えてみれば、昼は鮎とビールしか腹に収めていない。何か食べよう。
高島屋の傍に天ぷらの店を偶然見つけた。ひっそりと佇む店の外観に惹かれ
た。
入店すると、カウンターの中でお母さんが天ぷらを揚げていた。女性が調理
しているので店内はやさしい雰囲気に満ちている。
天丼と冷酒を注文すると、おばあさんがおしぼりとお茶を持ってきてくれた。
親子二代で店を守っているのだろう。







さて、間もなく出てきた揚げたての天丼はすこぶる美味だった。さっくりと
揚がった天ぷらと、しっかりとした甘辛味の丼つゆが絶妙のマッチングだ。
広島の地酒もウマイ。
やはり店の外観は、味の良し悪しも表現している。この店も例外ではなかっ
た。

駅近くのホテルへ向かう途中、「金公園」という名の公園があった。
岐阜には””が多くある。「金華山」以外にも、「金町」「金園町」「東
金宝町」という町名。極めつけは駅前に立つ黄金色の信長像だ。
”金”は信長や秀吉の権力欲の象徴に思える。昔も今も、権力者のハートを
わしづかみにする。

ホテルに入って、シャワーで汗を流した。酷暑の中を歩き回ったため、下着
はじっとりと濡れている。そして城山に登ったので、ふくらはぎがパンパン
に腫れていた。狭い湯船に浸かって、脚をマッサージする。遊びにやって来
て、「疲れた‥」とは言いたくないが、とにかく暑さがこたえた。






日が傾いた。ベッドで仮眠を取った私はスリッパから靴に履き替え、ホテル
を出る。夕食は「鰻」にしようと決めていた。
どんな魚が好きか?と訊かれたら、即座にこう答えるだろう。「一に鮎、二
に鰻、三四がなくて五に鯵と鯖‥」
 それほど川魚が好きだ。
鰻の焼き方は、地焼きの関西風が好みであるが、飴炊きのような名古屋風も
キライじゃない。特に「ひつまぶし」にするなら名古屋風じゃないと合わな
いだろう。
駅の北側を走る長住町通りを西へ往く。飲み屋がそろそろ営業を始めている。
素朴なテーブルでホルモンなどを提供する若者向きの店もある。しばらく行
くと、目当ての店が見えた。川魚料理の店「なまずや分店」である。







せっかくここまでやってきたのだから、「ひつまぶし」を注文することにし
た。丁度2年前、”東海道関宿(せきじゅく)”がある三重県亀山市を訪れ
たときにも「ひつまぶし」をいただいた。
その小旅行の宿で鳩山民主党政権発足の興奮した声を聞いた。そして今回は、
野田首相の所信表明演説をテレビで聞くことになった。面白い巡り合わせで
はあるが、1年毎に首相が代っているんだから、そう珍しいことではないの
かもしれない。

1杯目の茶碗はそのままうな丼としていただき、2杯目は薬味(ネギ、わさ
び、海苔)をのせて食べる。そして、3杯目にはダシをかけてお茶漬け風に
さっぱりといただく。





今回の蒲焼はパリパリに焼かれたものだったので”ダシかけパターン”がよ
く合った。うーむ、ウマイ! ひとりでお櫃をすべて平らげてしまった。
ふう、満腹だ。ごちそうさまでした。

さて、これからどうするか? うーむ、コンビニでウイスキーでも買って帰
って、ホテルでチビチビやるとしようか‥。


   




◇天ぷら「つる天」   岐阜市神室町2-5   
                天丼    680円
                冷酒    900円


◇うなぎ「なまずや 分店」 岐阜市福住町1-23   
                うなぎまぶし(並) 2,200円
                生ビール        550円



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