加古川での単身赴任時代、姫路へもよく出かけた。国宝姫路城は四季それ
ぞれの美しさがあり、町はしっとりとした落ち着きがあった。
城へ向かうときに歩いたのは「
みゆき(御幸)通り」であり、「
おみぞ(小
溝)筋」であった。
みゆき通りがメインの華やかな商店街であるのに対し、おみぞ筋は裏通り・
路地裏の雰囲気を残していたが、私にとってはとても魅力的に映った。
JR姫路駅を降り、正面の城を望むと修復工事用の覆いがすっぽりとかけら
れていた。
最初に「みゆき通り」に入る。いつもながら賑やかだ。そして、すぐに右折
すると、途端に雰囲気が変わる。”若者ファッション系”から”おじさん系”
のそれに変化する。
更に折れて、みゆき通りと平行に走る「おみぞ筋」を北方向へ進む。
鯛焼きの繁盛店があり、姫路名物粉もんである「どろ焼き」の「
喃風(なん
ぷう)」がある。
そして、これも姫路名物の「
駅そば」の店と、豚汁が旨い「
赤心」の本店が
並ぶ。交差点を過ぎるとファッショナブルなFORUSビルと昔ながらの小
売店が入り混じる。
元々はうす暗い裏通りであったが、10年ほど前から若者たちが店をオープ
ンしていった。洒落たカフェや雑貨店、そしてアジアンレストランや蕎麦店
など、魅力的なストリートに変身していった。
さて、久しぶりに「
BAOBAB(バオバブ)」でランチをいただこう。
この裏通りに光を当て、おしゃれストリートに変えた立役者がこのアジアン
料理店だ。雰囲気の良い内装もさることながら本格的なカレーやフォーなど
を食べさせてくれる。
今回は豊富なメニューの中からタイ風の「グリーンカレー」をチョイスした。
大好きなメニューだが、なかなか食べる機会のない料理である。
ほどなくグリーンカレーと、ターメリックライス、ミニサラダが運ばれてき
た。サラッとしたカレーをライスの上に掛けながら食べ進む。
プリッキーヌ(青唐辛子)の爽やかな辛さと、ココナッツミルクの甘さが
口いっぱいに広がる。
メイン具材であるチキンとナスの横には、細くカットされたレモングラスや
ちぎったこぶみかんの葉、スライスしたガーなどが顔をのぞかせる。そして、
極めつけがフレッシュなコリアンダーの芳香だ。 めくるめく快感‥。
脳天直撃の美味さ! ああ、何てうまいんだろう。
(続く)
◇オリエンタルレストラン「BAOBAB」
姫路市紺屋町78 おみぞ筋商店街内
鶏肉となすびのグリーンカレー 1,050円