「野村」(福山市・鞆の浦)

ジミヘン

2012年03月09日 07:49


      お好み焼き名店探訪


 ◆お好み焼き
  生地  :  やわらかい生地
  キャベツ: 細い千切り
  具   :  豚バラ肉
  焼き方 : 独自の重ね焼き(混ぜ焼き+変わりモダン)
  ソース : 甘いお好み焼きソース
  満足度 : ★★★ (素朴でいて、満足できる味とコスパ)



  

  


 見た目は広島風お好み焼きのようだが、厚みがなくキャベツが自己主張し
過ぎていないので、食べやすい。それに、麺が意外にもちもちしていて上質
だった。
アア、ウマイ! 余り期待をしていなかった分、余計に感動する。
路地の奥に”庶民の名店”あり。 美味くなけりゃ、長きに亘って地元民に
愛されない。そういうことだ。
おじさん2人組が勘定を頼むと、おばあちゃんは古くて大きな算盤を取りだ
した。「やきそば、ふたつ。おでんの何が何本。ビールが4本。そして、・
・・」 自己申告をする金額を算盤に置いていく。
こんな風に半世紀近く、おばあちゃんと客のやりとりが行われてきたのだろ
う。「路地裏にある昭和」に乾杯!








鞆の浦を代表する景観を見るために、「福禅寺、対潮楼(たいちょうろう)
」へ向かう。ここは江戸時代、朝鮮通信使の迎賓館として使われた。
座敷からの海の眺めは素晴らしく、「日東第一形勝(日の昇る東の国、つま
り日本で一番の景色である)」と称賛された。
座敷から弁天島、仙酔島を眺めていると一隻の渡船が海峡を横切っていった。
船名を見ると、「平成いろは丸」とある。またしても、龍馬の「いろは丸」。


   

   



再び、古い家並みの中心へ戻った私は土産用に「保命酒」を一本買い求め、
小魚料理の店「おてび」で一服することにした。
ほとんどの客は定食のご飯を食べていたが、熱燗をお願いし、カウンターに
並んだ料理を見る。素朴な煮魚が多いようだ。私は小さなカレイ?を揚げて
から甘酢で煮たような料理を所望した。
土地の清酒「美の鶴」をちびちびと飲りながら、小魚を食む。なかなかに風
情がある。


   

   


私は「崖の上のポニョ」のことを考えていた。
宮崎駿監督は2005年、この地に長期滞在をして次回作の構想を練った。

映画の中の海辺の町が鞆港をモデルにしていても、何ら不思議ではないが、
監督も町側もそれを認めようとしない。
アニメは夢がつまった虚構の世界だ。モデルの場所を特定しても、面白くな
い。

私が興味を抱いたのは、鞆の浦と一体になっている「仙酔」「保命」という
言葉と、ポニョに出てくる老人たちとの関係だった。
監督は仙酔島や保命酒からインスピレーションを得て、老人と子供たちが交
流する未来の社会を想像したのではないだろうか。

  「保命(ほうめい)の 仙人も酔う 鞆の海」 (ジミヘン)



  



   ◇お好み焼「野村」 広島県福山市鞆町鞆?
   
             豚玉そば入り  450円
             缶ビール     200円





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