東神戸ワイルド派の雄 「すえちゃん」(神戸・住吉)
香ばしく焼けた「すじ・かす・いも」の競演。お好みの最高峰やあ!
名店NO.20 「すえちゃん」
長らく続けてきましたこの「
お好み焼き名店探訪」シリーズも今回が最
終回です。
大トリはこの店しかありません。東神戸の地元ファンに熱愛される庶民店
「
すえちゃん」だ。
◆店の概要
立地 : 公営住宅の1階店
タイプ : 神戸風べた焼き
焼くのは: 店焼き
塗るのは: 客塗り
路地裏度: ★★☆ (近所の常連さんが集まる家族的な店)
阪神電車「住吉駅」は、御影駅からひとつ大阪寄りの小さな駅。普通電車
しか停まらない。
駅を下りると、すえちゃんの絶品お好み焼きが脳裏に浮かんできて、心が弾
む。高架の北側を大阪方面へ向かって歩く。
今日は寒さも一段落し、分厚いコートが邪魔になるほど暖かい。
しばらく行くと、道が2つに分かれているので、左側の道を選ぶ。やや広い
公園があり、突き当って右手を見ると「
すえちゃん」の赤い看板が見えだろ
う。駅から5分足らずで着いてしまった。はやる気持ちが足を速くする。
開店直後だというのに、すでに齢の差カップルがお好み焼きを食べていた。
男性は一味唐辛子を山盛り掛け、女性は粉かつおを山盛りトッピングしてい
た。うむ、客が好きにすればイイ。「お好み」焼きなんだから‥。
さて、久しぶりの訪問だから豪勢に行こう。「
お好み焼きにすじ・かす・い
もを入れて! それからビール!」 私は男らしくキッパリと言い放つ。
いつもと変わり映えのしない注文だが、絶品の”
牛すじ”と”
いも”は絶対
に外せない。
今日は妹さんが目の前で焼いてくれた。じっくりと工程を拝見しよう。
1.鍋に入ったとろとろ生地をお玉で丸く広げる。20cm径の大きさだが、
かすれる程薄い。
その上にザク千切りのキャベツをひとつかみ載せる。
2.大きめにカットした青ネギを乗せてから、茹でたじゃがいも・ミンチ状の
たっぷり牛すじ、そして存在感のある油かすをドドーンと置いた。
3.更に生地を回しかけてから裏返し、テコで押さえる。
この状態でしばらく放置プレーだ。
イイ香りがしてくるまで辛抱の時間‥。ビールを飲むピッチが上がる。
4.数分経つと、すじ・かすが焼ける香ばしい芳香が漂ってくる。
この香りが「すえちゃん」の存在証明だと言えるだろう。とにかく素晴ら
しいのだ。
ひっくり返すと、表面がカリカリッに焼けた”イケメンフェース”が顔を
見せる。
5.私はお好み焼きソースを塗った上に、どろソースを少し分散塗りする。
すかさずおばちゃんが粉かつおと青のりを掛けてくれた。
早く食べたい。
テコを入れると、それを跳ね返すような弾性がある。
ここまでクリスピー感のあるお好み焼きは他にないだろう。
いただきまーす。
(続く)
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