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■お好み焼き店紹介 (おこのミシュラン)
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大和(やまと)@大阪・岸和田
大阪・岸和田の名物といえば、「城とだんじり祭り」。そして、もうひと
つ忘れてはならないのが「かしみん焼き」だ。このユニークな粉もん料理を
味わうために遠路はるばるやってきた。
南海本線岸和田駅で下車し、商店街を南方向へ下りて行く。途中、老舗のお
好み焼き屋「双月」を過ぎて更に南下し、左折して浜七町の路地裏をウロウ
ロする。いつもなら、動物的なカンで目指す店を見つけるのだが、今回は苦
戦した。近所のおばちゃんに道を尋ねて、ようやくたどり着いた。駅から1
5分ほども歩いただろうか?
お目当ての店は「かしみん焼き」発祥の店として名高い「大和」さんである。
店に入ると、人懐こいおじさんとお姉さんが迎えてくれた。私は早速、「か
しみん焼き(中)」を注文し、「ビールはないんですか?」と聞く。しかし、
ないとの返事。ザンネン! 歩き回って汗をかいたので、ここは是非とも、
キュッとやりたかった。
1.ゆるい生地を極薄く、丸く引き、粉かつおを振る。その上に、千切りキャ
ベツと青ネギ、紅しょうがをのせ、小さく切った鶏肉(かしわ)と牛脂ミ
ンチを置き、更に生地を上から回しかける。
(おじさんとの会話に夢中になって、よく見ていない‥。トホ。)
2.これを裏返して、意外にも4~5分じっくりと焼き続けた。
かなり焦げ目がついた状態で、表を向けソースを塗ってから牛脂ミンチを
トッピングした。
テコで食べようとしたが、余りにクリスピーなので、皿をもらい、切り分
けたものを皿にのせた。
【今回食べたお好み焼き】 かしみん焼き(中) 430円
■生地 かなり柔らかい生地に、千切りのキャベツ。
■トッピング 「かしわ」と「牛脂ミンチ」。足して「かしみん焼き」だ。
■味 想像以上にクリスピー感を追求している。そして、ソースが
たっぷりなので、やや味が濃い。
■ソース ソースは1種類。
■店の雰囲気 民家風の店舗に大きな鉄板が1枚だけあって、客が取り囲む
スタイル。神戸の下町系に通じる庶民店だ。
■コスパ どうだろう? 軽いおやつ感覚にしてはやや高い。
◇おススメ度 ★★☆ (満点は三ッ星)
店主に話を聞くと、洋食焼きの「かしわ焼き」と牛脂ミンチを
使った「みんち焼き」の2つのメニューが昔からあったらしい。
それを、ある日わがままな客が一緒にして焼いてほしいとリク
エストした。こうして、「かしみん焼き」が誕生した。
周りがパリッと焼けて、中はモチモチ感がある。良い感じだ。
元祖の「かしみん焼き」を食べながら、店主から色々と面白い
話を聞くことができた。南大阪まで足をのばした甲斐があった
というものだ。
しかし、残念だったのは(しつこいようだが)「ビール」がな
かったこと。ビールがあれば、あと2枚はいけた。
【お店のデータ】
住所 岸和田市紙屋町15-4
店名 お好み焼き「大和」
電話 072-432-3872
ブログでの紹介 =>
http://okosoken.osakazine.net/e186897.html
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■読者アンケート募集 (おこレポ)
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●お好み焼きの黄金レシピ
(1)大阪風まぜ焼きのレシピ
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(おこ総研)では、(家おこ)コーナーで、何度か「家焼き」のお好み焼き
を紹介してきましたが、今回はおススメの”黄金レシピ”を公開しましょう。
耳タコですが、お好み焼きに邪道なし、焼き方にもルールはありません。
しかし、こうすれば、おいしく焼ける‥という、経験則のようなものがあり
ます。
今回は、大阪風のまぜ焼きのレシピと焼き方です。
「ふっくら生地とさっくりキャベツのまぜ焼き」を目標にして、作ってみま
しょう。 レッツ クッキング!
<まぜ焼き(豚玉)基本レシピ 4枚分>
▼生地作り
・市販のお好み焼き粉 200CC(1カップ)
・水 100CC
・すりおろした長芋 50CC
・牛乳 50CC
・シマヤのダシの素 少々
・ベーキングパウダー 少々
・塩 少々
ボウルにこれらを混ぜ合わせた後、冷蔵庫で2時間ほど寝かせる。
▼混ぜカップ (お好み焼き1枚分)
・生地 100CC
・ザク切りキャベツ 150CC
・卵 1個
・天カス、刻み青ネギ、紅しょうが 少々
広口のカップにこれらを入れ、スプーンで空気を入れながら混ぜる。
混ぜ過ぎもよくありませんが、20回位を目安に混ぜましょう。
▼焼き方
1.熱した(200℃)ホットプレートに油をひき、上記の生地を丸く広
げる。その上に豚バラの薄切り肉をたっぷり乗せる。
2.3分ほど焼いた後、裏返してじっくりと5分間焼く。
3.再度裏返してから、ソース(今回はオリバーとんかつソース+タカラ
たまりソースを少々)とマヨを塗り、かつお粉、青のりを振りかける。
<講評>
ふっくらと焼けました。かなりウマイッス。(自画自賛!)
長芋と牛乳の量はお好みで適当に加減をし、キャベツについても、好みの
分量にアレンジしてください。
こうすれば、もっと美味しくできるヨというご意見をお待ちしています。
ブログでの紹介 =>
http://okosoken.osakazine.net/e189842.html
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■お好み焼き研究 (おこ研)
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かしみん焼き
『岸和田といえば「だんじり祭」だが、そのなかでも浜七町は「祭こそ我
が人生」のもっとも熱いエリアであり、この「かしみん」は大変リージョナ
ルな存在である。』
これは、タウン誌「ミーツ」の前編集長・江弘毅氏の文章である。氏はご当
地岸和田の出身で、「かしみん焼き」の存在を世に知らしめた人物だ。
お好み焼きの成り立ちは、下町の一銭洋食を源とする。神戸や京都では、牛
のホルモンやスジ肉を乗せ、大阪では牛腸を揚げた油カスを乗せた。そして、
岸和田の浜地区では「ひね鶏」を乗せた。
「ひね鶏」とは、卵を産まなくなった老女鶏のことで、身は硬いが独特の旨
みがある。そして、(私の想像だが)脂分を補うために牛脂(すき焼きを焼
くときに使う白い脂身)の小片を一緒に焼いた。この合体により、ユニーク
な超ローカルフード『かしみん焼き』が誕生した。
鶏肉(かしわ)+牛脂みんち=かしみん焼き
▼安く手に入る食材を「もったいない精神」で、お好み焼きに乗せる。この
考え方は各エリアに共通している。これこそ、「庶民料理」の真髄と言える
だろう。
以前、自宅でお好み焼きを作るときに鶏肉を入れてみたら、結構おいしくで
きた。しかし、「ひね鶏」仕様を食べてみると、やはりこちらの方がウマイ!
コリっとした歯ごたえが何ともイイ感じなのだ。
「大和」のおやじさんによると、ある日若い男性がやってきて、「かしみん
焼き」を教えてほしいと懇願されたそうだ。その男性は、来る日も来る日も
店に通いつめ、焼き方を教わったという。
やがて、彼は大阪ナンバで”かしみん焼き”の店「紙の屋」をオープンした。
「大和」に敬意を表して、店の住所(紙屋町)を店名にした。
▼「かしみん」を堪能した私は岸和田の町を散策した。のんびりと午睡をし
ているような町だったが、町内のあちらこちらにある「だんじり」を収容し
た倉庫を見ると、違う感慨が蘇る。この町の男たちは、秋の「だんじり祭」
のために1年間を過ごしているという。祭りが終わった翌日から、もう次の
年の祭りの準備が始まるのだ。
私は、播州松原八幡神社の「灘のけんか祭」を思い出した。彼らも”祭”を、
生きる糧にして暮していた。目標がある生活は素晴らしいと思わせる。
(岸和田城)
<ちょっとしたメモ> 関西の薄焼き分布
うす焼き--- 神戸長田系 (牛スジ+豚脂+ばらソース)
|- 神戸生田川系 (牛スジ+辛いソース)
|- 神戸住吉系 (スジコン+いも)
|- 高砂にくてん系(洋食焼き+いも)
|- 赤穂ネギコロ系(洋食焼き+牛スジ)
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|- 岸和田浜系 (かしみん焼き)
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|- 京都一銭洋食 (観光客用)
-- 京都九条系 (ホルモン+辛いソース)
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【編集長】 関西お好み焼き総合研究所代表
ジミヘン jimihen@a-net.email.ne.jp
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