大阪風と広島風の境界線を探る旅  ~その2

ジミヘン

2013年07月01日 07:55



∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

            関西お好み焼き総研+(プラス) 

       関 西 お 好 み 焼 き マ ガ ジ ン (おこマガ)

               特別企画2  (2013-7-1)

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

      
 皆さん、お元気ですか。ジミヘンです。

さて、「大阪風と広島風の境界線を探る旅」の続編をお届けします。
大阪・兵庫・岡山・広島のお好み焼きを食べ歩いてきて、その実態がかなり
見えてきました。
レポートをお楽しみください。


   


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■お好み焼き研究  (おこ研)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

特別企画 【大阪風と広島風の境界線を探る
                      ~その2(倉敷市編)


▼翌日、備中高梁(たかはし)駅から伯備線に乗り、倉敷駅へ着く。
さすがに倉敷は大きな都市である。観光案内所で”てくてくマップ”をもらい、町を
散策する。
2度目の訪問なので、前回とは違ったコース(考古館や本町通りなど)を歩いた。
この日も前日と同様に、蒸し暑くて汗びっしょりだ。

さて、昼食は駅前センター街にあるお好み焼き屋「ふるいち 浜田店」へ。
路地の奥まった袋小路にその店はあった。店に入ると、何人かの女性客がテイ
クアウトするお好み焼きが焼きあがるのを待っている。成る程、人気がある店だ。

壁のメニューから「ミックス焼き 卵入り」を選び出した。”卵入り”が別表示されて
いるということは、きっと素朴なお好み焼きを焼いてくれるのだろう。
期待が高まる。
カウンター前の鉄板でヒゲの店主が焼き始めるが、後ろ向きなので焼いている
詳細が分からない。首を伸ばして観察すると、卵入りのふっくらした生地を広げ、
その上にたっぷりのキャベツを乗せた
おっ、これは高梁の「五万石」さんタイプのお好み焼きだろうか?


   


▼しばらくして、小さい鉄板に乗ったお好み焼きが運ばれた。おおおっ、折りた
たまれている。ビジュアルはまるで(兵庫県高砂市の)「にくてん」だ。
しかも、厚みがあるものを2つ折りにしているので、5センチほどの高さがある。
たっぷりと塗られたソースとちょこんと乗った紅生姜がキュートで、美味そうだ。


   


具材は豚肉とイカ・海老が入っていた。キャベツがたっぷりなのでやや淡白な味。
広島風の場合、もやし+中華麺+イカ天などが味の自己主張をし、更に「府中
焼き」は外パリ感があるので、この店のものとはかなり違っている。

高梁市の老舗「五万石」さんで出会った素朴な”のせ焼き”のお好み焼き、そして
倉敷市「ふるいち」さんの”にくてん”風のお好み焼き。これで、備中エリアのお好
み焼きの実態が分かった。


   


    ◇お好み焼き 「ふるいち 浜田店」
        岡山県倉敷市阿知2-2-6 

          ミックス焼き 卵入り   650円     
          (備中風お好み焼き)














▼そもそも、お好み焼きの歴史を見ると、
    1)どんどん焼き (江戸末期)     
    2)洋食焼き、にくてん (明治・大正時代) ・・・ 小麦粉生地にネギ・醤油
    3)まぜ焼き、お好み焼き (昭和、戦後)  ・・・ 生地とキャベツを混ぜる
                                   粘度のあるソース


という変化を遂げたが、東京エリアと大阪エリア以外の地域には「洋食焼き」=”の
せ焼き”の素朴なスタイルが残った。
兵庫県の尼崎~赤穂には様々な”のせ焼き”があり、岡山県~広島県に及ぶエリ
アも基本的には”洋食焼き”スタイルの”のせ焼き”が残った

     ・長田焼き(神戸市・新長田)  ・・・ 生地の上にキャベツやネギ
     ・にくてん(高砂市)        ・・・ 素朴な乗せ焼き、折りたたむ
     ・ネギコロ(赤穂市)        ・・・ 洋食焼き+牛スジ肉
     ・カキオコ(岡山県日生)     ・・・ 乗せ焼きと混ぜ焼きの折衷?
     ・備中お好み焼き(倉敷市)   ・・・ ”にくてん”風の洋食焼き
     ・広島風お好み焼き        ・・・ モダン焼き仕様の洋食焼き



   (じゃがいも入りにくてん 「あぼし」)        (日生のカキオコ 「ほり」)
      



▼さて、長々と書いてきたが、今回の調査の結論を言おう。
テーマは「大阪風と広島風の境界線を探る」であったが、中国地方のどこを歩い
ても”のせ焼き(乗せ焼き・重ね焼き)”しかなかった

混ぜ焼きを食べたい人は”関西風”のお好み焼きを希望すればよい。広島市内で
も食べることができる。

では、本当の境界線はどこだったのか? 強いて云うなら、大阪市此花区辺りが
”大阪風まぜ焼き”と”洋食焼き風のせ焼き”の境界エリアになるのではないか

それが、関西おこ総研の結論である。 どうだろうか?

大阪焼きと広島焼き、どちらが優れているなんてありません。
所詮は、庶民のB級グルメです。お好きな方をどうぞ!



    (近畿~中国地区のお好み焼き分布図)
    
 

          ←クリックすると拡大します。
 


  ◆Youtube動画 「倉敷の町を歩く」
     ==> http://www.youtube.com/watch?v=InQdm-94BaY

  ◆倉敷の美観地区を歩く  (ブログ)
     ==> http://jimihen3.exblog.jp/19058152/




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行者】  ジミヘン   jimihen@a-net.email.ne.jp
           (メール送信のときは、@を小文字にしてください)
        関西お好み焼き総研+
                http://okosoken.osakazine.net/


■このメールマガジンはインターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
 発行しています。
■メール配信の登録・解除は、まぐまぐhttp://www.mag2.com 又は
http://www.ne.jp/asahi/jimihen/oyaji からお願いします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





関連記事