「おこのほそ道」マガジン  19.「せち焼き」を焼く

ジミヘン

2012年02月27日 07:52


     


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           関西お好み焼き総研+(プラス) 

     ジミヘンの「おこのほそ道」 ~お好み焼き名店探訪

             第19号 (2012-2-27)

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 皆さん、お元気ですか。ジミヘンです。

 テレビのバラエティ番組で中華料理人が「じゃがいも料理」で、苦戦して
いました。お題の食材を与えられ、決まった材料費で料理を工夫するという
番組だった。

考えてみれば、中華料理にあまり「いも類」は登場しない。
北方は小麦粉と羊肉、南方は米と魚介類。それが中華の基本になっているよ
うな気がする。

料理の基本と発展、食材や調理法の拡大と工夫。
つくずく「料理」は面白い



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 ■「家おこ」のススメ
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 「せち焼き」を焼く

▼「せち焼き」とは、御坊市のお好み焼き店「やました」さんで生まれたユ
ニークな鉄板料理である。
店主が何気なく作った「まかない」のような料理が客に受け、オンメニュー
されるようになった。そして、世の中のB級グルメブームに乗って、知名度
が上がっていった。
テレビのレポート番組で見た限り、ソース焼きそばを卵で焼き固めてお好み
焼き状に整形した”変わり焼きそば”であった。

梅田「きじ」さんの”きじ風モダン焼き”に限りなく近いようだが、もっと
プリミティブな感じがする。
さて、一度作ってみよう。


▼用意する材料は、焼きそばの材料と生卵が数個だけ。実にシンプルだ。

 1.普通にソース焼きそばを作る。
   中華麺、キャベツ、豚肉、イカ、焼きそばソース(今回は、大阪の
   ツヅミやきそばソース

   


 2.焼きそばを広げ、ドーナツ状に真中に穴を作って、そこに卵2個
   を割り落とす。
   全体をすばやく混ぜていく。今回、麺を切らないようにしてみた。

   

   


 3.円盤状に整形して、ひっくり返し、お好み焼きソース(大阪のヒシ
   ウメ・タマリソース)を塗る。
   マヨネーズ、花かつお、青のりをトッピングすれば出来上がり。


   



うむ、ウマイ!
焼きそばを溶き卵で固めたものだから、ウマくて当たり前とも言える。
想像した通りの味だ。

ただ、作ってみて分かったのは、その「バラエティ豊かな在り様」である。
中の麺はふっくらやわらかいが、鉄板に触れている麺はパリッと焼けて、
香ばしい。一枚で何度もおいしい
神戸風のモダン焼きとも違う。オムそばとも違う。そして、きじ風のモダ
ン焼きともかなり趣きが違った。

唯一の欠点は”見た目があまりよろしくない”ということ。
つまり、「せち焼き」とは、実に素朴で、飾り気のない”まかない料理
のようであった。


次回は、いよいよ”家おこ”の最終回です。
現代に残る”洋食焼き”とも言える「キャベツ焼き」を考察し、作ってみま
しょう。



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