おこのミシュラン 95店目
(「えみちゃん」のすじぶた焼き)
「斉元(さいもと)」「京屋」など、知る人ぞ知る名店がひしめき合う
神
戸・生田川系の老舗を、もう1店紹介しましょう。
場所は、阪神高速神戸線の生田川出入口の近く。今回は三宮からぶらぶらと
歩いて行くことにした。神戸国際会館の前の通りを東方向へ10分ほど行く
と、生田川にぶつかる。そして、橋を渡ると、左手の市営住宅の1階に「え
みちゃん」の看板が見つかるだろう。
店内に入ると、
懐かしい昭和の雰囲気である。やさしそうなおじちゃんと、
しっかり者のおばちゃんが迎え入れてくれる。奥にやや小さな焼き台が据え
られ、手前に4人掛けの鉄板テーブルが3卓ある。
私はメニューの中から「すじぶた焼き」とビール(キリン中瓶)を注文して、
おばちゃんの焼き方を見る。
1.白い生地を鉄板に丸く引き、その上に千切りキャベツをひとつかみ載せる。
更にスジコン、豚バラ肉、青ネギなどを置き、上から大量の生地を回しか
けた。他の店よりも生地の分量が相当多い。
2.火力が強いのだろう、すぐに裏返してテコで整形する。ここからが意外に
早かった。何回かひっくり返し、トータル5分ほどで焼きあがった。
おじちゃんがチリトリ(そばすくい)で私の鉄板に運んでくれる。
3.私は甘と辛の2種のソースを塗ってから、かつお粉と青のりを振った。
【今回食べたお好み焼き】 すじぶた焼き 500円
■生地 かなり
とろとろ系の生地だが、ベーキングパウダー?が効い
ているのか、べちゃっとした嫌味はない。
キャベツはやや細いザク千切り。
■トッピング かなり細かいスジコンと豚薄切り肉
■味 「さいもと」さんと比べて、相当に加水率が高い。至近距離
の店同士なのに、こんなにも個性の違いがある。実に面白い。
食べ進む内に、
底面がいい具合にカリッとなって風味が増し、
更においしくなった。
■ソース どこのソースだろう? プリンセスか、ブラザーか?
途中で味に飽きてきたら、卓上の壷に入っている
ヤンニンジ
ャンをかけてみる。辛いんだけれども、旨みが増す「
マジッ
ク・ソース」だ。
■店の雰囲気 店内はゆったりとしていて、居心地が良い。
■コスパ 文句なしのC/P優良店だ。「ぶた焼き」「すじ焼き」は、
400円という安さ。おまけにビール中瓶も400円だった。
◇おススメ度
★★☆ (満点は三ッ星)
筆者にとって、神戸・生田川系と住吉系の2流派は、特別な存
在になった。キャベツ感が際立った”のせ焼き”、そして牛ス
ジ肉と辛いソースが創りだすワイルドな旨さ!
今回の「えみちゃん」では、スジコンの美味さに唸った。すじ
の脂身が舌の上で、プルンプルンと色気たっぷりに踊る。
「地元のお好み焼き屋が一番うまい!」、そんなことをつぶや
いてしまう。ノスタルジーに浸れる店だった。
【お店のデータ】
住所 神戸市中央区南本町通6丁目
店名 お好み焼き「えみちゃん」
電話 078-291-0376
(店の外観)
(ちょっと小さめの焼き台)
(もう、焼き上がった!)
(おいしそうだ)
(甘いソース、辛いソース、一番奥にヤンニンジャンの壷)
(生地が”とろとろ”)
(「マジック・ソース」で、ヒーヒー言おう!)