おこのミシュラン 76店目
(「ぼくのや」のミックス焼き) 一味唐辛子を少し振った!
♪時が過ぎて 今 心から言える
あなたに会えて よかったね きっと 私♪
目からウロコが2~3枚はがれ落ちた。下町の名店「ぼくのや」に会えて、
ほんとうに良かった。
(おこ総研)ブログへのコメント情報で、この店の存在を知った。筆者の自
宅から近いので、早速訪ねてみることにした。
阪神香櫨園駅は、西宮駅からひとつ神戸寄りのごく小さな駅だ。桜の名所と
して知られる夙川の上を跨ぐような形で建っている。駅を降りて、北東方向
へ3~4分歩くと、最初に「来たろう」というお好み焼き店があり、その数
軒隣りに目指す「ぼくのや」はあった。
開店直後の店内に入ると、客は誰もいないのに鉄板の上には何枚ものお好み
焼きが焼かれている。電話が鳴り、店主が注文を聞いている。そして、テイ
クアウトのお好み焼きをもらいにきた近所のお年寄り。噂に違わず、下町の
繁盛店であった。
私はお好み焼きのミックス(小)とビール(キリン中瓶)を注文した。する
と店のお兄さんはクーラーケースを指差して、自分で取り出して栓を抜いて
くださいと言った。
1.
実に興味深い焼き方だ。金属カップに大量の千切りキャベツを入れ、お玉
一杯分の生地を加える。その上に
イカ(ゲソ)と豚肉(もも肉)をたっぷ
り載せ、卵を一個割り入れた。
2.それを余り混ぜずに、上下をそのままにして鉄板上に滑りこませた。卵が
割れて、うまい具合に広がった。
3~4分後、天かすをたっぷりと置き、
テコでギューッと押して整形する。
3.裏返した後、再度ギューッと押える。(風月の店員が見たら、目を白黒さ
せるだろう) その状態で、さあ、7~8分も焼いただろうか?
お母さんがソースを一種類塗って、私の前にもってきてくれた。かつお粉
も青のりも振っていないが、
パリッとして、超うまそうだ!
【今回食べたお好み焼き】 ミックスお好み焼き(小) 700円
■生地 特に特徴はない。玉子を混ぜ込まないので、やや固い目。
キャベツは細い千切り。
■トッピング イカは
小イカを使い、豚肉は赤みの多い(多分)
もも肉を使
う。食材へのこだわりを感じる。
■味 ひと口、口に含むと、コウフク感が押し寄せてきた。ウマイ!
キャベツの甘さ、豚肉とイカの充実感、そしてやや辛い目の
ソース。それらが
渾然一体となって、私の舌を歓ばせる。
■ソース どこのソースだろう。店主が工夫をしてブレンドしたのかも?
■店の雰囲気 カウンターだけのスッキリとしたレイアウト。暑い時期でも、
冷房は入れずに、自然の風と冷たい”おしぼり”。良い。
■コスパ 豚玉(小)=600円。50円足せばモダン焼きにできる。
質量ともに満足できる内容だ。次回は(大)に挑戦したい。
◇おススメ度
★★★ (満点は三ッ星)
私は
「名店」の条件を何度か書いたことがある。
1)ガンガンに熱く熱した鉄板上で、焦げるほどしっかりと焼く。
「すえちゃん」も「高砂」も「斉元」もみんなそうだった。
2)大胆にして繊細な焼き方のパフォーマンス。
長年の経験に裏打ちされ、「信念」に満ちあふれている。
「ぼくのや」のお好み焼きは、「大阪風」とは一線を画する個性
的な混ぜ焼きだった。店主が試行錯誤の末、たどりついた独自の
境地なのかもしれない。このすばらしい味を、ずっと守り続けて
ほしい。チェーン店化せずに、「
下町の名店」として地元民に愛
され続けてほしい。
【お店のデータ】
住所 西宮市宮西町7-2
店名 お好み焼き「ぼくのや」
電話 0798-22-5400
(店の外観)
(たっぷりキャベツと、たっぷり豚肉だ)
(厚みがあるので、じっくりと焼く。 ちなみに、これは(大)です)
(やってきた。 うまそう!!)