ジャンル:5-1 粉もん系-お好み焼き・焼きそば
(「たこ八」の豚玉)
平凡なる非凡。老練な技から生まれるなにげない「豚玉」は、得も言われ
ぬ名品であった。
十三へやって来た。十三の有名店と言えば「ねぎ焼きのやまもと」「がんこ
寿司」「大衆酒場の十三屋」といったところであろうか?
所用を済ませた私は、酒を一杯ひっかける処を求めて商店街をぶらつく。ア、
そうそう
お好み焼きの「たこ八」があった。
阪急十三駅の西改札を出て交差点を渡り、少し歩くと高架にぶつかる。そこ
を左折してしばらく行くと、高架下に小さな赤ちょうちんが見つかるだろう。
お好み焼き屋であるが、おでんなどの色々なアテを置いているので、飲み屋
として使う客も多い。この日もロートル3人衆が昼間からおでんや焼きそば
を食べながら盛り上がっていた。
店内はL字型の鉄板カウンターの周りに10人ほどが座れるだけのこじんま
りとした造りである。カウンターの中で老夫婦が接客をしてくれる。しわが
れ声の
大阪のオカン風女主人と枯れた味わいのオヤジさんの二人。
私は瓶ビールと豚玉を注文して、壁際のテレビを見る。昼のワイドショーで
沢尻某の話題を延々と流している。先のロートル組がつぶやく。「他人の離
婚のことなんか、どうでもいいのに‥」 まったくその通りである。
オヤジさんが金属カップにキャベツ+生地+卵を入れてかき混ぜ、オカンに
渡す。オカンは鉄板に丸く広げてから豚バラ肉をのせる。至って当たり前の
大阪風まぜ焼きである。
火力が強いらしく7~8分で焼けた。オカンは「ソースは甘口・辛口どちら
にします?」と訊いた。私は「両方お願いします」と頼んだ。
【今回食べたBグルメニュー】 豚玉 650円
【レビュー】
直径15センチほどの小ぶりなお好み焼きは厚さが2センチほ
どもあって、ずんぐりとしている。
テコで切り分けて一口頬張る。
ウマイ!! 大阪の若者が好む
”ふわとろ”ではなく、ややもっちりとした生地だが、もたれ
る感じではない。粗く刻んだ
キャベツの歯触りが抜群に良いし、
表面の豚肉はパリパリに焼けてクリスピーだ。
やや酸味が効いた甘口の地ソースとスパイシーな辛口ソースの
コンビネーションも良い。以前、訪問したときは確か”スジね
ぎ焼き”をオーダーしたと思うが、断然豚玉の方が旨い!
おやつ感覚でペロリと食べてしまった。
平凡だけど、こんな「大阪焼き」が好きだ。三つ星を差し上げ
ましょう。
◇おススメ度
★★★ (満点は三ッ星)
【お店のデータ】
住所 大阪市淀川区十三本町1-23-20
店名 お好み焼き「たこ八」
電話 06-6301-5887
(おでんが煮えています‥)
(焼けたようだ)
(うまそう!)
(いただきま~す)