関西お好み焼き総研＋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おこのミシュラン　４２店目
（象屋の豚玉）



　「大阪のお好み焼きは豚玉に始まり、豚玉に終わる。そして、豚玉の最高
峰は象屋かもしれない」
私ジミヘンが今まで食べ歩いてきた中で、天神橋「甚六」も、天満「千草」
も素晴らしかった。そしてチェーン店の「鶴橋風月」にも感心した。しかし、
完成度の高さではこの店が群を抜いていた。

大阪西梅田駅から地下鉄四つ橋線に乗り、８つ目の駅が「玉出」だ。西成の
下町にある駅だから滅多に降りることはない。今回は、この店の豚玉を味わ
うためだけに遠征した。それだけの価値があると、妻を説得して二人でやっ
て来た。
店の前に立って、改めて店主の自信のほどを垣間見る。「お好み焼き」とい
う文字はどこにもない。味が分かる常連だけ来れば良い。そして、評判は口
コミで広まる筈だという自信。

席に着いた私はとりあえず、豚玉とミックス焼きそばと瓶ビールを注文した。
ブログ情報によれば、お好み焼きは焼き上がるまで１５分ほどもかかるので、
焼きそばを必ず注文すべしとのアドバイスがあった。
最初にやって来たのはビール大瓶（アサヒスーパードライ）であり、次が焼
きそばだった。
豚肉と海老とイカが入った焼きそばは、上品で豪華だ。シャキシャキ食感の
大振りキャベツとプリッとした麺が絶妙で、妻と顔を見合わせてニッコリ。

やがて、待望の豚玉が運ばれてきた。楕円形の形をしていて、上にはマヨネ
ーズと少量のケチャップと辛子が乗っている。「ぼてぢゅう」の影響を受け
ていることは一目瞭然だ。私は甘口のソースを全体にたっぷりと塗り、辛口
ソースとどろソースを少量ずつ垂らした。そして、その上に花かつおと青の
りを振った。


【今回食べたお好み焼き】　豚玉　　８２０円
■生地　　　　ふっくら、サックリとしている絶妙の生地。キャベツはやや
　　　　　　　　粗いみじん切り
■トッピング　ロースとバラの豚肉２種を表面にグルッと回して敷きつめた。
■味　　　　　パリッと香ばしく焼けた豚肉、ふわっとやさしい生地、そし
　　　　　　　　て濃厚なソースとマヨネーズ。それらが渾然一体となって舌
　　　　　　　　の上に押し寄せてくる。
■ソース　　　大阪では珍しく、甘口・辛口・どろの３種類ある。果たして
　　　　　　　　どのメーカーのソースなんだろう？
■店の雰囲気　こざっぱりとした気持ちの良い造りだ。カップルでもＯＫ。
■コスパ　　　うーん、この店のただひとつの課題はこれ。お好み焼きのコ
　　　　　　　　スパはほどほどだが、ミックス焼きそばの１，１３０円には
　　　　　　　　絶句。（但し、使われている食材は素晴らしかった）
　　　　　　

◇おススメ度　★★★Ｌ！　　（満点は三ッ星）
　　　　　　実力のある店だ。期待をして出かけた私に、期待通りに応えて
　　　　　　くれた。
　　　　　　基本の豚玉と焼きそばで勝負している。変化球でごまかさず、
　　　　　　ストレート球で勝負を挑む。食材を研究し尽くして、完成度を
　　　　　　高めてゆく。その結果が、今のメニューに結実した。
　　　　　　（おこ総研）から大阪初の「レジェンド店」に認定致します。
　　　　　　是非、受け取ってください。
　　　　　　この店はどこへ出しても恥ずかしくない「まぜ焼き」の名店だ。
　　　　　　ミシュランの覆面調査員が来たって、うまさに絶句して裸足で
　　　　　　逃げ帰るだろう。
　

【お店のデータ】
住所　　大阪市西成区玉出西２－７－１０
店名　　お好み焼き「象屋」　　
電話　　０６－６６５７－１６１６　



（店の外観）


（最初に、ミックス焼きそば）


（ソースは、甘口・辛口・どろの３種）


（おお、旨そうだ！）